サッカーは1人でやるものじゃない。11人、控えメンバー、そしてベンチに入れなかった選手たちの思いすべてを背負って戦うものだ――。 そんな、熱血マンガのような言葉を思い出す人が多いだろう時期が来た。 全国高校サッカー選手権の都道府県大会が各地で開幕している。新型コロナ禍によって開催が不安視された時期もあったが、10月初旬時点では開催の方向で進んでいる。 そんな中で、ネット上に駆け巡った、びっくりニュースがあった。 「高校サッカー8人で初戦突破『次も8人』」 主役として扱われているのは、静岡県立下田高校である。 なぜの連続、現場に行ってみることに 名優・三國連太郎の母校でもある同校は、3年生が受験勉強に集中するため、インターハイ予選限りでの引退を決断。それによって2年生による新チームが発足したものの、チームに在籍する8人だけで公式戦に挑むことになった。
興國高CB平井駿助は選手権で名を上げるか 選手権で「僕がナンバー1のCBだと証明できるように頑張っていきたい」。大阪連覇、全国制覇を狙う興國高のCB平井駿助(3年)は、新型コロナウイルスによる休校期間や夏休みを利用して8月20日まで内定先の横浜F・マリノスへ長期の練習参加。その期間で大きな自信を掴んでいる。 「今まではメンタルが安定していなくて、でも今は落ち着き度とか全然違うなと思います。(バタつかなくなり)視野が広くなって、どこでも配球できるようになった」。当初はスピード感の部分で苦戦。加えて「周りがプロというのがあって、気を遣ったりして自分を出せなかったのがあった」と振り返る。 平井は186cmと長身だが、器用に身体を動かすことができる選手だ。両足を使ってドリブル、パスができることも強み。練習参加当初は苦労したというが、慣れて徐々に自分の力を発揮できるようになった。そして
[10.11 選手権東京都Aブロック1回戦 大東文化大一高 2-3 国士舘高 国士舘楓の杜キャンパスG] 73歳の名将が、新たな挑戦をスタートしている。昨年度限りで流通経済大柏高(千葉)の監督を退任した本田裕一郎氏が、国士舘高(東京)のテクニカルアドバイザー(TA)就任後初となる選手権予選を迎えた。 肩書きはTAだが、流経大柏監督時代と変わらず、精力的に動き、指示する姿があった。試合前はウォーミングアップから付きっきりで選手たちを指導。自らダッシュの合図を出し、選手たちに1本1本パスを出しながら試合への準備を進めていた。そして、ベンチ前で指示を伝えると、選手の円陣にも加わって初戦をスタート。試合中はテクニカルエリアに立ち続けて選手に声がけし、後押しした。 初戦は2度のリードを許したものの、CKからの3得点によって逆転勝ち。後半半ばまでリードを許していたが、“勝負師”は次々と交代
伊奈学園 vs 細田学園 (写真=埼玉通信・石黒登) 立ち上がりは伊奈学園が縦に早い攻撃からFW加賀山太健が相手の裏を狙い圧をかけていく。 一方、開始早々は初戦特有の固さも見られた細田学園も徐々に落ち着きを取り戻すと前半16分、左シャドーのFW山本翼のアーリークロスをFW金子弘輝がヘディングで沈めて先制した。 その後は細田学園がボールを持って展開。今年採用する3-4-2-1のワイドが高い位置を取って幅を使った攻撃を繰り出していく。前半21分にはサイドチェンジでディフェンスに揺さぶりをかけ、左サイドのDF五十嵐隆成のクロスのこぼれをFW齋藤真が決めて追加点とした。 後半も優勢に進めた細田学園は14分、右コーナーキックからの混戦をエース齋藤がきっちりと沈めてこの日2ゴール目を記録。同32分にはMF細島大空のアーリークロスに先制アシストの山本がジャンプ一番、頭一つ抜ける打点の高いヘ
小学校時代はGKとして活躍、中学ではサッカーではなくバレーボールをやろうと… 代表歴もなければ、県選抜の経験も全国大会への出場もない。エリート街道とは無縁だった男は高校3年間で自身を磨き上げ、プロ入りの権利を掴んだ。 10月1日、ジェフユナイテッド千葉は修徳高に所属するブワニカ啓太(3年)の獲得を発表した。最大の武器は豊富な運動量と跳躍力で、中盤より前のポジションであれば全てこなせる汎用性も魅力のひとつだ。修徳高では1年次からトップチームに帯同し、2年次からはレギュラーに定着。今季は4−4−1−1の1.5列目で自由に動き回りながら、得点に絡む役割を担っている。 プロ注目の大型ボランチ・大森博(3年)とともにチームを牽引するブワニカ。「中学の時はプロになるなんて全く考えていなかった」と本人が苦笑いを浮かべたように、高校1年生までは無名の選手だった。なぜ、ブワニカはプロ入り
同じ高校の2チームがファイナルで激突…「前半はセカンドの勢いが凄くて、飲み込まれる場面があった」 10月4日に青森山田高グラウンドで行なわれた高円宮杯JFA U-18 サッカースーパープリンスリーグ2020東北決勝の青森山田対青森山田セカンドの一戦。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で便宜的に設立されたスーパープリンスリーグ東北にトップ、セカンドの2チームが参戦した青森山田は、トップはAグループ、セカンドはBグループの1位になったことで、ファイナルは同じ高校の2チームが争うという、異例の決戦となったのだった。 「正直、やりづらさはありました。一番はトップのチームと同じサッカーをしてくるということ。自分たちがやろうとしていることをセカンドもやってくるので、そういう意味ではすごく難しい試合でした」 こう語るのはMF松木玖生。昨年度は1年生ながら10番とのダブルエースナンバー
[10.10 選手権東京都Aブロック1回戦 本郷高 0-6 関東一高 駒沢2]VIVAIO船橋時代はCBで、関東一高進学後はFW、昨年はボランチ。そして現在はFWとして、相手にとってとても怖い存在になっている。関東一の180cmFW笠井佳祐(3年)はドリブルスピードが速く、鋭い切り返しなど含めて個でPAを打開できるプレーヤーだ。この日は前半19分に技ありのゴール。左中間で相手DFを背負うと見せかけてから、「相手が狙っているのが見えたので。跨いで」前を向いた笠井は、中央へやや切れ込みながら右足を振り抜く。そして、鮮やかにファーサイドのゴールネットを揺らした。一瞬の判断と身のこなしでゴールへのアングルを作り出し、「自分の形」というカットインシュート。笠井は後半にもMF類家暁(3年)のスルーパスで抜け出し、左足で2点目のゴールを決めた。非凡な得点能力と打開力を発揮した笠井だが、他にも4度5度と決
[10.10 選手権東京都Aブロック1回戦 本郷高 0-6 関東一高 駒沢2]左サイドで違いを作り出した。関東一高の左SBとして先発した肥田野蓮治(2年)は身長178cmの長身レフティー。元々はトップ下や右SHでプレーしていたというDFが、1ゴール2アシストと印象的な活躍を見せた。「視野の広さとキック精度が一番得意なところです」という肥田野は、その強みを活かして後方からゲームメーク。加えて、局面によって左足キックの種類を蹴り分け、間合いを外してアイディアのあるパスを通すなど、違いを作り出していた。また、コンビネーションから敵陣深く切れ込んでのクロス、スペースへの配球、正確なプレースキックなど特に攻撃面で存在感。前半19分にはFW笠井佳祐(3年)への縦パスでゴールを演出し、36分にはこぼれ球を左足ダイレクトでゴールへ蹴り込んだ。そして、後半21分にもショートコーナーから左足のロングクロスでア
藤島監督は「彼らにしかできないプレーがある」と激励 来季のJリーグ入りが内定している埼玉・昌平高校サッカー部の4選手が10月9日、同校での記者会見に臨んだ。 主将のMF須藤直輝とMF小川優介がJ1鹿島アントラーズへ、FW小見洋太がJ2アルビレックス新潟へ、MF柴圭汰はJ3福島ユナイテッドへの加入が内定。昌平は前年度の第98回全国高校選手権で初めてベスト8に進んだが、4選手とも全3試合にフル出場している。 緩急自在のドリブルで敵陣を切り裂く須藤は、鹿島とサンフレッチェ広島から誘われた。「伝統あるクラブでやれることを誇りに思う。スペイン・リーグでのプレーと日本代表が目標」と抱負を語る。質の高い攻撃を組み立てるボランチの小川は、「鹿島からのオファーを自信に変え、感謝の気持ちを忘れずに頑張りたい」と笑顔で話した。 埼玉の高校生が鹿島入りするのは、1993年の武南高校・室井市
[10.11 スーパープリンスリーグ九州第1節 東福岡高 0-2 鳥栖U-18 東福岡高G] 高円宮杯 JFA U‐18 サッカースーパープリンスリーグ2020 九州は11日、延期されていたAパート第1節の東福岡高(福岡)対サガン鳥栖U-18(佐賀)戦を行い、試合序盤の2ゴールを守り切った鳥栖U-18が2-0で勝利した。 「元サガン鳥栖の選手もいるし、(本来ならばともに参戦していた)プレミア勢の東福岡と対戦できるのは良い機会。『絶対に東福岡には負けたくない』とチーム全員で話をしていた」。2種登録選手としてトップチームでも出場するU-19日本代表候補DF中野伸哉(2年)の言葉通り、鳥栖がこの一戦に懸ける想いは強かった。鳥栖U-18から、東福岡へと“移籍”したDF千代島瞬(3年)が「相手の方が勝ちたいという気持ちが強かったように感じた」と振り返った通り、立ち上がりからテンション高く試合
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