3年連続の決勝進出はとてつもない偉業であることは間違いない 山梨学院(青)と青森山田(緑)の決勝戦は、PK戦にもつれ込む熱戦となった。写真:徳原隆元 まだまだコロナ禍が続く2021年の今年、最初のコラムになる。 明けましておめでとうございます。 サッカー界は元旦、天皇杯決勝からスタートし、川崎フロンターレが1-0の最小スコアでこそあるが、力の差を見せつけて優勝した。 日本のJリーグのスタンダードはこれだ!と言わんばかりのクラブ力、絶妙なチームバランスを披露し、ガンバに対して今年も2020年シーズンからの良い継続を見せそうな一方的な試合であった。 同時に全国高校サッカー選手権、延期になっていたルヴァンカップの決勝戦も行なわれた。全国高校サッカー選手権は山梨学院が、ルヴァンカップはFC東京がそれぞれ優勝した。 そして、1月11日11時11分に弟のカズが横浜FCと
関西地域のU-16年代において長期にわたるリーグ戦を通して、選手の育成および指導者のレベルアップを図ることを目的とする「関西U-16~Groeien~2020」は全日程終了後、各チーム選出の優秀選手を発表した。上位リーグのG1リーグ5位、履正社高(大阪)からはDF加藤日向(1年=ガンバ大阪ジュニアユース出身)が選出された。以下、加藤コメント―リーグ戦を振り返って。「個人としては、レベルの高いチームがいるリーグで全試合に出場する事ができて、とても良い経験になりました。今回のリーグ戦では事前に声をかけておけば防ぐことができた失点が多かったので、声の量と質を上げて失点を減らす事ができるようにこれから意識していきたいと思います。チームとしては難しい試合で勝ち切る事ができなかった。小さい事で結果が変わると思うので、細かいことに拘れるチームにしたいです」―現在の課題と強みは?「現在の課題はチームがひと
青森山田イレブン 第99回全国高校サッカー選手権大会が無事、幕を閉じた。大会前から懸念されていた新型コロナウィルス感染症は未だ収束の兆しが見えず、2回戦が行われた1月2日には大会開催地である1都3県の知事が政府に緊急事態宣言を要請したことで大会継続を不安視する声もあったが、保護者や学校関係者のみ許されていた現地観戦を準決勝以降は中止して無観客に切り替えるなど対応により、最後まで実施することができた。 ピッチ内では各会場で熱戦が繰り広げられた中、大会を制したのは山梨学院高等学校。11年ぶり2度目の栄冠に輝いた。決勝戦は11年前の初優勝時と同じ青森山田との対戦となり、試合展開も前半10分過ぎに先制点をあげるという、当時を再現するような立ち上がりとなった。後半に一時は逆転を許すも、FW野田武瑠の今大会初ゴールで追いつき、勝負の行方はPK戦へ。山梨学院にとっては3回戦の藤枝明誠戦、準決
反対派と肯定派がSNS上で議論 他校のマークを受けながらも、青森山田を3年連続の決勝に導いた黒田監督。(C)SOCCER DIGEST 山梨学院の11年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた第99回全国高校サッカー選手権大会。コロナ禍で行なわれたこの異例の大会で、物議を醸したのがロングスローだ。 高校サッカー界におけるロングスローの多用化は今に始まったことではない。もう何年も前から多くの高校が採用している。実際、今大会の4強を見ても、山梨学院がMF新井爽太(3年)、矢板中央(栃木)がDF島﨑勝也(2年)、そして青森山田がDF内田陽介(3年)というスペシャリストを擁し、テクニカルなパスワークが売りの帝京長岡(新潟)も頻度は少なかったが用いてはいた。 ロングスローの賛否が盛り上がるキッカケとなったのは、青森山田と帝京大可児(岐阜)が4-2と撃ち合いを演じた3回戦だろう。優勝候補の大本
関東・静岡の強豪校の1年生たちがリーグ戦で力を磨く「2020 関東Rookie League」は11月23日の閉幕後、各賞受賞者を発表した。C League最少失点チームのDFもしくはGKに与えられるベストDFは、日体大柏高(千葉)のDF森田修士(アイデンティみらいU-15出身)が獲得。前への強さやハードワークを特長とし、Cリーグ優勝にも貢献した森田が、「2020 関東Rookie League」の感想や今後の意気込みを語った。―CリーグのベストDFに選ばれましたが、受賞した感想を教えてください。「リーグ開幕時は、ケガで出場することができず苦しみましたが、チームに迷惑をかけた分強い気持ちで試合に望み、リーグ最少失点で優勝、ベストDF賞をいただき、とてもうれしいです」―本年度のルーキーリーグを振り返って、リーグ戦中に自分が出せたところは?「1対1の対人やパスカット、カバーリング、ビルドアップ
関東・静岡の強豪校の1年生たちがリーグ戦で力を磨く「2020 関東Rookie League」は11月23日の閉幕後、各賞受賞者を発表した。C LeagueのMVPは日体大柏高(千葉)のMF吉田眞翔(1FC川越水上公園出身)が獲得。推進力のある縦への動きとリーグ5得点の決定力も示した吉田が、「2020 関東Rookie League」の感想や今後の意気込みを語った。―CリーグMVPに選ばれましたが、受賞した感想を教えてください。「チームに貢献できてうれしいです」―本年度のルーキーリーグを振り返って、リーグ戦中に自分が出せたところは?「ボールを受けてから力強いドリブルで持ち込み、ゴールを決めることが持ち味で、試合中に何度か発揮することができました」―逆に課題となったところは?「タッチやパスミスなど簡単なプレーでミスすることが多く、減らしていくことが課題です」―自分のプレーで見て欲しいところは
九州地域のU-16年代において長期にわたるリーグ戦を通して、選手の育成および指導者のレベルアップを図る「2020 球蹴男児 U-16 リーグ」は全日程終了後、各チーム選出の優秀選手を発表した。D2リーグBパート4位・熊本学園大付高(熊本)からはDF田上皓晟(1年=ブレイズ熊本出身)が選出された。以下、田上コメント―リーグ戦を振り返って。「結果から見て、何ひとつ得られてないのが今の正直な気持ちです。チームのベースをもっと一人ひとりが追求していかないと、組織で戦えないと感じました。チームとしての我慢強さが足りないリーグだったと思います。個人としては失点が多く、まだまだ力不足を感じました。また90分というゲームの運び方を学びました」―現在の課題と強み。「DFのラインコントロールやリスク管理がまだまだ足りていないです。また、ヘディングやキックの質はまだまだ伸ばしていかないといけないと感じています。
大会を制覇した山梨学院高(写真協力『高校サッカー年鑑』) 新型コロナウイルスの影響で無観客開催だった選手権は山梨学院高のにぎやかなベンチワークが際立った。楽しそうに盛り上げ、マスク越しにピッチの選手に声を掛け、アップ中もみんな笑顔。大会制覇の要因にチームの一体感が挙げられるが、そこには雰囲気をつくりあげた控え組の貢献があった。 分厚い選手層を誇った山梨学院。随一の技術を持つFW笹沼航紀(3年)ら実力者たちもベンチスタートに甘んじる形となったが、腐ることなく、共通意識をもっていた。「日本一のベンチをつくろうぜ」――。「ウチのベンチはうるさいんですよ、日本一のベンチなので」と笹沼は胸を張った。 「普通ベンチとスタメンって温度差があるけど、自分たちは仲が良くて。日本で一番声を出して、選手を鼓舞して、『日本一のベンチをつくろうぜ』ってみんなで話していました。ベンチにいると緊張している
山梨学院高GK熊倉匠主将は仲間の支えも力に日本一の守護神に。(写真協力=高校サッカー年鑑) [1.11 選手権決勝 山梨学院高 2-2(PK4-2)青森山田高 埼玉] 文字通り、「守護神」の大活躍だった。初戦から毎試合のように好守を続け、6試合中3試合でPK戦勝利のヒーローに。山梨学院高GK熊倉匠主将(3年)は決勝も前後半に至近距離からのシュートを足で止め、青森山田高のクロス、ロングスローを安定したキャッチングで封じ続けた。 難易度の高いもの、低いもの関わらず一つ一つのプレーを正確にやり続けたことが、シュート数7対24という難しい試合での勝因に。「今までの練習でやってきたことが出ただけだった」という熊倉だが、練習で取り組んできたことを大舞台でブレずに表現したことが思い描いた通りの結果を引き寄せた。 長谷川大監督は決勝後、ゴールを決めた選手、ビッグセーブを連発した熊倉に対し
山梨学院を支えた鈴木剛副主将(写真協力『高校サッカー年鑑』) [1.11 選手権決勝 山梨学院高 2-2(PK4-2)青森山田高 埼玉] 先頭に立って声を掛け、チームのために献身した。山梨学院高の副主将を務めるDF鈴木剛(3年)は今大会で最も長くプレーした選手の一人だ。タフな連戦の中で全6試合、520分のフルタイム出場。持ち味の運動量、対人守備で貢献しながら、「このチームが勝つためには一番声を出して、後ろから支えることが必要だと思った」とチームのために声を張り、的確な指示で優勝へと導いた。 「無観客だったので例年よりも声が通ったと思う。この大会はセットプレーが多かったので、誰よりも一番集中して、雰囲気に飲まれないように自分とクマ(GK熊倉匠主将)が声を出して、一本一本集中出来たのがカギだったかなと思います」 中学まではセンターバックを本職としたが、ボランチを経てサイドバッ
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