今夏のインターハイ埼玉予選決勝で激しいバトルを繰り広げた昌平(左)と成徳深谷(右)。選手権予選ではどの高校が頂点に立つのか、注目だ。写真:滝川敏之
プロ内定2人を擁する昌平は2年ぶり5度目の優勝を目ざす
第101回全国高校サッカー選手権・埼玉大会は10月9日、例年と同数の52校が参加する決勝トーナメントが開幕する。
今夏の全国高校総体(インターハイ)で4強入りし、優勝候補筆頭の昌平が2年ぶり5度目の頂点に立つのか、それとも多士済々の実力校が昌平を倒すのか。ここが一番の見どころとなる。
大会は1回戦から3回戦まで原則無観客で、準々決勝以降は有観客で開催する予定。11月13日の決勝は、15年ぶりにNACK5スタジアム大宮でキックオフされる。
昌平の攻撃の中枢は、FC東京への来季加入が内定した荒井悠汰(3年)で、篠田翼(3年)とともに縦への推進力に加えて決定力も高く、相手の脅威になるサイドMFだ。
今季はセットプレーからの得点が多く、MF土谷飛雅(2年)はFKで際どいコースを狙う。多彩な攻撃を支えるのが堅ろうな守備で、現在首位のプリンスリーグ関東1部では、最少失点を誇る。鹿島アントラーズへ来季加入予定の主将でCBの津久井佳祐(3年)は、怪我が完治する準々決勝から復帰する見通しだ。
高校総体予選ベスト4で、今大会連覇を目ざす西武台は、CBの長谷川智紀と河合陸玖(ともに3年)が強固な守備ラインを形成。MF和田力也(3年)はゲームを組み立て、得点にも絡み、ロングスローからもチャンスを演出する攻撃の大黒柱だ。
インターハイ予選準優勝、関東大会予選4強の成徳深谷も経験豊富なGK木村航大、CB増子颯竜(ともに3年)を軸に守備が堅い。左SB鈴木嵐(2年)の鋭い左足キックは威力満点だ。初優勝のカギを握るのは、攻撃陣の決定力と思われる。
武蔵越生は関東大会と総体の両予選でベスト4入りし、総合力と完成度が高い。県内屈指のGK関根拓郎(3年)が守備に安定感をもたらし、FW荒関龍(3年)や切り札のMF安西歩夢(3年)らが好機を決めきるのが勝ちパターンだ。
関東大会予選覇者で、県S1リーグ暫定2位の正智深谷も力はある。佐藤瞭丞と春山朔也(ともに3年)の両MFがチャンスを作り、守備もCB小屋結世(3年)を中心に堅い。
関東大会予選準優勝の武南は、松原史季(2年)や山田詩太(3年)の両MFをはじめ、才能豊かな人材を多数抱える。16年ぶりのタイトルは、勝利への強い欲を出しきれるかに懸かる。
前回大会準優勝の浦和南は指揮官の手腕も見もの
前回大会準優勝の浦和南は、FW立沢太郎(3年)がどこまでチームを引っ張れるか。勝ち方を熟知する野崎正治監督の手腕も見ものだ。選手権予選3年連続8強の細田学園は、FW滝澤夏惟(3年)が攻撃の中心で、初めて準々決勝の壁を破れるかに注目したい。
立教新座は57年ぶりにベスト4入りした昨年に比べると見劣りするが、DF岡本聡吾(2年)は豪胆に攻め上がり、鋭いクロスを配給する。
総体予選準々決勝で昌平をアディショナルタイムまで苦しめた狭山ヶ丘は、県S2Aリーグで2位と好調。同Bリーグ暫定首位の聖望学園、暫定2位の埼玉栄も実績のある実力校だけに、虎視眈々と上位進出を狙っているはずだ。
近年の埼玉は私立が全盛の時代に移行し、第98、99回大会と私学勢が史上初めて8強を独占した。それでも前回大会は、公立勢3校がベスト8に入って意地を見せた。今回はともに関東大会予選8強で、県S1リーグ暫定4位の市立浦和、県S2Aリーグ暫定4位の大宮南、総体予選3回戦で正智深谷とPK戦まで争った大宮東、前回8強の浦和東の戦いぶりも楽しみだ。
文●河野 正
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
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※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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