10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正
村松コーチが監督代行として指揮
埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。
今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。
前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平の流れがしばらく続く。17分に土谷の中距離弾、18分には大谷の強シュートで敵の守備網を揺さぶった。33分にはエースFW小田晄平(3年)が右から絶好の一撃を放ったが、惜しくも枠を捕らえられなかった。
主導権を握りながらも加点できずにいた37分、ボランチの藤川壮史(3年)に守備の背後に進入され、痛恨の同点弾を許した。失点後も4度のピンチを招いた。
村松監督代行は「前半はうちのペースだったのであのまま終われるかなと思いましたが、相手の2トップの圧力に全体が引いてしまった」と前半浮き彫りになった課題をこう指摘した。
2点目を失った時間帯が悪かった。後半5分、CB髙瀬大也(3年)の鋭い突破に左サイドを崩されると、FW網代陽勇にクロスを右足で合わせられて決勝点を奪われた。
昌平は後半、FW鄭志錫(2年)をはじめ、ともに1年生の山口豪太と長璃喜の両MFを投入するなどして戦局の打開を図ったが、後半のシュートは山口の1本だけで、ゴールを割れなかった。
村松監督代行は「2列目の選手を際立たせたいと考え、この1週間練習してきました。長(準)や大谷は良さを出してくれた」と手応えを掴む一方で、「コーチとしてチームを指導してきましたが、やはりメンバー選びなどを含めて指揮を執るのは大変ですね」と国内有数の強豪を仕上げる難しさを口にした。
「藤島先生のためにも選手権予選で優勝し、恩返ししたい」
村松監督代行は藤島前監督とは千葉・習志野高の同級生で、昌平の下部組織でもある中学生年代のクラブチーム、FC LAVIDAでは監督を務めている。
今回の指揮官交代はサッカー部がさらに発展し、高みを目ざすために新体制でスタートしてほしいと藤島前監督が城川雅士校長に退任を申し出たからだ。
左ひざの大ケガで戦線離脱中のCB石川穂高(3年)に代わってアームバンドを巻くCB佐怒賀大門(3年)は、「プレミアリーグでは厳しい試合が続き、チームへの批判もありますので、主将としての責任はさらに大きくなっています。ここからチームがひとつになって今の状況を打開していきたい」と口もとを引き締めると、「藤島先生のためにも選手権予選で優勝し、恩返ししたい」と力強く語った。
スーパーシードとして臨む第102回全国高校選手権埼玉大会には、28日の準々決勝から登場する。
昌平は藤島監督が2007年に着任すると、短期間で埼玉の盟主の座に就き、8年目の14年に第93回全国高校選手権埼玉大会で初優勝。17年には新人大会、関東高校大会と全国高校総体、全国高校選手権の各予選、県S1リーグを制して史上初の5冠に輝いた。
これまで21のタイトルを獲得。全国高校総体は出場4度でベスト4に3度入り、全国高校選手権は5度出場して第98、99大会で8強に進んだ。昨季はプリンスリーグ関東1部で初優勝し、プレミアリーグのプレーオフを勝ち抜いて埼玉の高体連チームとして初昇格を遂げた。Jリーグには小見洋太(新潟)や松本泰志(広島)ら、7年続けて16人を送り込んでいる。
取材・文●河野 正
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
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■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
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9月26日にFC大阪は、イェールメディテック高校(韓国)所属の韓国人GKカン ソングクが2024シーズンより加入することが内定と発表した。 26日までに高体連勢からは8人、Jクラブユース勢からは29人がプロへの切符を獲得(海外チーム含む)。また、街クラブと海外の高校からのプロ内定がそれぞれ1人となっている。 ※2023年9月26日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテ...
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