7月24日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集! 「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第2回はサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代からJリーグまで幅広く取材する川端暁彦氏による11人です。
川端氏「私が初めて日本クラブユース選手権(U-18)大会を観るためにJヴィレッジを訪れてからもうすぐ四半世紀が経過するようです。当時、素晴らしいプレーを見せていた選手たちは、Jリーグや日本代表での活躍した方もいれば、いま指導者や解説者として活躍されている方もいます。あの当時から“クラブユース”を取り巻く状況は確実に変わってきましたが、プレーする選手たちの志と秘めたる可能性に変わりはないでしょう。また新しいタレントとの出会いには別途期待しつつ、試合を観た中で『全国でもう一度観たい』と強く思った11人を選出しています。1チーム1名ずつ、学年のバランスもちょっと考えながら選ばせて頂きました」
以下、川端氏が注目する11名
GK上林大誠(モンテディオ山形ユース 2年)
今年になって初めてU-16日本代表へ入ってきた早生まれの2年生GKながら、瞬く間に代表チームにも定着。相手のプレッシングにも動じず的確にパスをさばく技術と胆力があり、左足から繰り出すロングキックの精度も高い。6月のインターナショナルドリームカップU-16ではビッグセーブも見せて優勝に貢献。
DF桒原陸人(ガンバ大阪ユース 3年)
G大阪ユースと言うと攻撃のイメージが強いかもしれないが、一期生だった元日本代表DF宮本恒靖氏を筆頭としてDFも多く輩出してきた歴史がある。その系譜に連なるのが、この闘将だ。クラブが付けたキャッチコピーは、『陣頭指揮のリズムワーカー』。既にトップデビュー済みのDFはタフに戦い、後ろからゲームを作る。
DF元木湊大(川崎フロンターレU-18 2年)
アクティブなサッカーでプレミアリーグEASTを席巻する今季の川崎F。中心となるのは昇格の決まった3選手なのは言うまでもないが、両SBの存在感も際立つ。1対1でボールを“狩れる”彼らの存在によって川崎Fのプレッシングスタイルが完成していると言っても過言ではない。特に左の元木の存在感は攻守で際立つ。
MF福井太智(サガン鳥栖U-18 3年)
昨年からトップチームでも活躍を見せてきた彼を今さら紹介しても……という気もしないではなかったが、やはり大会最高の10番にして優勝候補のキャプテンは注目選手として名前を挙げるにふさわしいだろう。ボールの置き方や動かし方といったセンスに加え、強度の部分でも違いを作る。「教えられないモノを持つ」(田中智宗監督)選手だ。
MF皿良立輝(セレッソ大阪U-18 2年)
今季、満開の桜を咲かせつつある期待株。高円宮杯プレミアリーグWESTで得点王を争うレフティは全国でもキーマンだろう。憧れのメッシと同じく、左足から繰り出す多彩なシュートに加え、今季は密かに練習してきた“右足”でもゴールを記録。対峙するDFからすると、何とも抑えづらい選手に仕上がってきた。
MF越道草太(サンフレッチェ広島ユース 3年)
負傷で苦しんだ時期も長かったが、上り調子で全国舞台に臨むことになりそうだ。グイグイ運んで、ガンガン仕掛けるドリブルが最大の武器で、左右両足を器用に使い分けながらゴールも狙えれば、アシストもできる。駒野友一以来の伝統がある広島のワイドプレーヤーとして今大会も期待度は高い。
MF下田栄祐(鹿島アントラーズユース 3年)
背負う番号は『40』、出身は岩手県、そして鹿島のMFとなれば、思い出すのはあのレジェンド、小笠原満男氏しかいないだろう。球際で見せる旺盛な闘争心とボールを奪い切るセンス、そこから見せるパスさばきとボールの運び方も、やはり往年の名手を彷彿とさせるものがある。今大会でも違いを作れるか注目。
MF永野修都(FC東京U-18 1年)
沈着冷静にパスを引き出してボールをさばき、前へと繋ぐ青赤軍団の新世代を担うアンカータイプのボランチが、今季1年生ながら存在感を見せている。「バランスを考えている」と語るように攻守の“守”の部分も意識する黒子のマインドで、スーパーヒーロー系FW熊田直紀(3年)ら周囲の良さも際立たせる。
FW後藤啓介(ジュビロ磐田U-18 2年)
プレミアリーグではMF登録なことからも分かるように純正のストライカーではないが、ゴールへのマインドは完全に点取り屋。「結果を出す」ことにこだわりを持ち、大きな体をダイナミックに使いながらゴールへ迫る。今季は日本代表の名FWだった前田遼一監督の薫陶も受けつつ、もう一段のスケールアップを狙う。
FW内野航太郎(横浜F・マリノスユース 3年)
元よりゴール前でのプレーには定評のあったストライカーだが、プレッシングサッカーを志向する大熊裕司監督の指導を受ける中で、かつて苦手だった守備でも強度を出しつつ、ショートカウンターからも点を取れる現代的なFWへ脱皮した。プレミアリーグでは得点王レースをリードするが、カップ戦でも結果を残せるか。
FW近野伸大(柏レイソルU-18 2年)
「全部あの18番にやられた!」と青森山田高の関係者を嘆かせたのはプレミアリーグEAST第11節のこと。大きな体で高空を制し、背負ってポストをさばきつつ、相棒のスーパーエース・FW山本桜大(3年)の個性をも引き出す。U-18昇格後は苦しい時期も過ごしたが、今大会でブレイクする予感は十二分に漂わせている。
執筆者紹介:川端暁彦
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。「#蹴球メガネーズ」
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
[4.14 プレミアリーグWEST第2節 静岡学園高 0-3 神戸U-18 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド(人工芝)] 相手が素晴らしいチームなのはわかっている。間違いなく攻撃的に来るであろうことも、容易に想像が付く。だからこそ、自分たちも引くつもりなんて毛頭ない。アグレッシブに打ち合って、その上で勝ち切ってやる。クリムゾンレッドの若武者たちは、勇敢な決意をハッキリと携えていたのだ。 「本当にこのリーグは難しいリーグなので、正直勝ててホッとしています。それも『こういうサッカーをしようよ』ということを、自分たちがある程度しっかり出した上で結果も付いてきたので、そこが凄く喜ばしいかなと思っています」(神戸U-18・安部雄大監督)。 真っ向からぶつかって3発を叩き込み、2試合目で掴んだ初白星。14日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WEST第2...
[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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