中井卓大だけじゃない! 10代の欧州日本人サッカー選手5人。イングランド、ドイツ、ポルトガルなどで活躍する逸材たち
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新進気鋭の18歳・二田理央

 

レアル・マドリードの下部組織でプレーする中井卓大をはじめ、海外でプレーする10代の日本人選手は珍しくない。そこに至るまでのキャリアは様々で、高校卒業とともに欧州に渡った選手もいれば、幼少期から住む国でプロを目指す選手もいる。海外でプレーする10代の日本人選手を5人紹介する。

 

チェイス・アンリ

生年月日:2004年3月24日(18歳)
所属クラブ:シュトゥットガルト

 

 3月に尚志高校を卒業したチェイス・アンリは、21/22シーズンからシュトゥットガルトU-21でプレーすることとなった。アメリカ人の父の日本人の母のもとに生まれ、188cmの恵まれた体格と身体能力を武器に、高校サッカー界で注目を集める存在となった。

 

 2020年にU-17日本代表に選出されると、昨年6月には17歳ながらU-20日本代表に“飛び級”選出。同年10月にはU-22日本代表で、今年1月にはフル代表の国内組を対象とした合宿にトレーニングパートナーとして参加している。粗削りな部分もあるが、そのポテンシャルは高く評価されている。

 

 6月にはU-21日本代表としてAFC U-23アジアカップに参戦した。久々の公式戦ということもあり、初戦では不安定なパフォーマンスで失点に絡んでしまったが、試合をこなすごとに良さを出せるようになっている。ドイツでさらなるレベルアップに成功すれば、シュトゥットガルトで同僚となる遠藤航と伊藤洋輝と同じピッチに立つことも可能になるだろう。

 

前田ハドー慈英(まえだ・はどー・じえい)

生年月日:2004年4月2日(18歳)
所属クラブ:ブラックバーン・ローヴァーズ

 

 ブラックバーンのアカデミーに所属する18歳が、第48回モーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に参加したU-19日本代表に選出された。香港生まれで、国内の強豪である傑志FCの下部組織で育った。

 

 渡英後はブラックバーンの育成年代でプレーし、16歳となった2020年にはスカラシップ契約を結んだ。イギリスメディア『the72』によると、18歳となった今夏にクラブはプロ契約を提示しており、プレミアリーグを含む国内外のクラブが前田に興味を示している。

 

 サイドバックを主戦場としているが、中盤やセンターバックとしてプレーすることもある。21/22シーズンは17歳ながらU-23チームでもプレーした。モーリスレベロトーナメントでは第3戦で年代別日本代表デビューを果たしている。

 

二田理央(にった・りお)

生年月日:2003年4月10日(19歳)
所属クラブ:ヴァッカー・インスブルック

 

 19歳の二田理央は現在、オーストリア2部のヴァッカー・インスブルックに籍を置いている。サガン鳥栖U-18出身で、昨年6月18日に2種登録、その5日後の横浜F・マリノス戦でJリーグデビューを果たした。その1週間後にプロ契約を結び、翌月には、ヴァッカー・インスブルックU-23への期限付き移籍が発表された。

 

 174cmと上背はないが、スピードを活かした動き出しからゴールを狙う。オーストリア3部リーグでは19試合21得点と大活躍を見せ、シーズン後半には同国2部のトップチームでも5試合1得点という数字を残した。シーズン終了後には第48回モーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に臨むU-19日本代表にも選出され、3試合に出場している。

 

 インスブルックへの期限付き移籍期間は今月まで。異色の経歴を歩む19歳はどのような選択をするのだろうか。

 

小橋エンスリン海(こばし・えんすりん・かい)

生年月日:2005年10月22日(16歳)
所属クラブ:チャールトン・アスレチック

 

 イングランド人の父と日本人の母を持つ小橋エンスリン海は、ロンドン南東部のチャールトン・アスレチックの育成組織に所属している。チャールトンはトップチームこそEFLリーグ1(3部)だが、育成には定評がある。近年ではジョー・ゴメスやエズリ・コンサなど、プレミアリーグでプレーする選手を多く輩出している。

 

 チーム事情から現在は左サイドバックを主戦場としているが、攻撃的なポジションでのプレーも得意だ。左足のキックは武器の1つで、チームではセットプレーを任されることも多く、流れの中からでもアシストやゴールを決めることができる。16歳ながら180cmを超える体格を持ち、チーム随一の運動量も特徴の1つである。

 

 16歳ながら21/22シーズンはU-18でもプレーしており、トップチーム昇格はそう遠い話でもないだろう。世代的には2028年のロサンゼルス五輪世代となる。イギリス人の父は南アフリカ、ドイツ、ベルギーにもルーツを持っているため、小橋エンスリン海は日本を含めた5か国の代表チームに可能性があるが、本人は日本代表を目指している。

 

広澤灯喜(ひろさわ・とき)

生年月日:2002年10月21日(19歳)
所属クラブ:ポルティモネンセ

 

 湘南ベルマーレU-15小田原出身の広澤灯喜は、山梨学院高校に進学した。3年次に全国高校サッカー選手権に出場し、鹿島学園との2回戦では決勝点となるゴールを決めた。全試合に先発出場した広澤はチームを決勝進出に導き、迎えた青森山田との決勝では貴重な先制ゴールを決めた。チームはPK戦の末に青森山田を下し、11大会ぶり2度目となる優勝を果たしている。

 

 この大会が広澤のキャリアに大きな影響を与えた。大会から約1か月、ポルティモネンセU-23への加入が発表されている。チームには自身より年上の選手も多いが、加入1年目の21/22シーズンは主力としてプレーした時期も長く、ゴールも決めている。

 

 一瞬で相手を抜き去るスピードと鋭いドリブルが武器のサイドアタッカーで、周囲からの期待は大きい。これまで世代別の日本代表に選ばれた経験はないが、2年後のパリ五輪に選ばれてもおかしくないタレントである。

 

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