プレミア初昇格、選手権ベスト8に貢献
前橋育英が誇るダブルボランチが、実に2か月半ぶりにコンビを組んだ。
徳永涼と根津元輝は、ともにプロ注目のタレントで、根津は1年から出番を掴み、徳永は2年生でチームの象徴的な背番号14を託された。昨年1年間は2人で不動のダブルボランチを組み、プレミアリーグ初昇格、選手権ベスト8に大きく貢献をした。
2人が直近でコンビを組んだのは、昨年度の選手権準々決勝の大津戦だった。それ以降は徳永がU-17日本高校選抜に入ったり、Jクラブの練習参加で不在が増えた。根津もJクラブの練習参加とU-18日本高校選抜の活動で不在が増えた。U-17、U-18の高校選抜は完全に別活動であることもあって、2人が試合で揃うことはなかった。
プレミアリーグ開幕を1週間前に控えた3月25日から27日にかけて行なわれた船橋招待サッカーフェスティバルで、彼らはついに同じピッチに立った。
「もうずっと元輝と一緒にプレーしたくて仕方がなかった。感覚が合うし、ライバルでもあり、信頼できる相棒でもあるので」(徳永)
「ようやく涼と一緒にプレーできるので、試したいことはたくさんあります。まだ僕のコンディションが万全ではないのが残念ですが、プレミア開幕に向けて出来るだけイメージを共有していきたいし、やっぱり楽しみです」(根津)
ともにこの日を待ちわびていた。初戦の京都橘戦。ダブルボランチでスタメン出場をすると、徳永が得意のプレスバックとボールを失わないプレーで攻守のバランスを司り、根津は得意の精度の高いキックと攻撃に関わる力を発揮して攻撃を活性化。常に目線を合わせ、時には会話をしたり、周りに的確な指示を出しながら、お互いの絶妙な距離感を保った。
2か月半ぶりとあって、噛み合わない面もあったが、2人の技術と連動のクオリティは明らかに他とは一線を画していた。
「まだリンクしないところはたくさんありますが、やっぱりやりやすいし、言葉を交わさなくても、やってほしいことをやってくれる」(徳永)
「やっぱり涼は上手い。ボール奪取もそうだし、何よりコーチングや周りを鼓舞する声が凄いなと思った」(根津)
2人の連係と成長が目標達成の鍵に
京都橘戦を終え、彼らは充実した表情を浮かべた。2日目の桐光学園戦でもコンビを組むと、初戦以上に連係の質は深まり、離れていた期間の成長の跡を示した。
徳永はインサイドのパスだけではなく、テンポをずらしたアウトサイドのキックを織り交ぜながら、ショートパスと展開のパスを的確な状況判断のもとに出す。コーチングの面でも試合中は常に指示と連係の確認をジェスチャーを交えて発信するなど、キャプテンとしての自覚がプレーと立ち居振る舞いに表われていた。
根津もキックの精度が格段に上がっていた。特にサイドチェンジや対角のボールを低弾道で正確に味方に届ける。守備面でも徳永に任せきりになることなく、危険なスペースを素早く埋めて、徳永を前目のポジションに押し出すなど、気の利くプレーを見せた。
「これからですね。実戦を通じて出た課題を元輝と話し合いながら、より連係を深めていきたい」(徳永)
来月にはチーム初のプレミアリーグが始まる。昇格1年目で初優勝、そしてインターハイと選手権で2度目の優勝を目指すチームにとって、この2人のコンビの連係と成長が目標達成の鍵を握ることは間違いない。2か月半ぶりのフィーリングをより深め、日本一のダブルボランチになるべく。2人の成長の軌跡をこれからも追いたい。
取材・文・写真●安藤隆人
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高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
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鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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