試行錯誤の末に掴んだ全国への切符。 積み重ねた日々を糧に関東第一が開幕戦へ!【第100回選手権】出場校取材・関東一 
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28日に新国立競技場での開幕戦を迎える関東一。過去最高のベスト16越えを狙う

 

 

 今年、第100回という大きな節目を迎える「全国高校サッカー選手権」。いまだ新型コロナウイルスの影響が懸念されるが、新国立競技場が会場となり、有観客での試合が行なわれる予定だ。

 

 困難な状況でもサッカーとひたむきに向き合ってきた選手たちによる名勝負を心から応援したい。

 

 激戦区の東京Bブロックを2年連続で優勝した関東第一。12月28日に新国立競技場で開幕戦を迎える小野監督、田畑コーチに話を訊いた。

 

 昨年から続く新型コロナウイルスの影響により新チームの立ち上げから常に試行錯誤の日々が続いた。関東圏では緊急事態宣言が繰り返し発令されるなど、通常の学校生活もままならない状況であり、練習時間、試合経験の不足に加えて選手の体調管理にも細心の注意が必要とされた。

 

 それでも選手たちをベストな状態で送り出したいと導入したコンディション管理ソフト「ONE TAP SPORTS」が今回の予選を戦うための心強い味方となったという。

 

ー◆ー◆ー◆ー

 

【関東第一高校・小野貴裕 監督インタビュー】

夏以降にチームが急成長。飛躍のきっかけになった

 

 

 今年は関東大会予選でベスト8、インターハイ予選も2回戦で敗れました。新チームには数名だけ去年のレギュラーが残り、メンバーの大半が今年から試合に出始めた選手です。昨年も選手権に出場したものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、レギュラー組以外は長期の合宿や遠征が出来ず、経験値が足りない状態でした。新チームを作っていくためには、準備と時間が必要でしたし、私自身も考えることはたくさんありました。

 

 ターニングポイントになったのは関東大会予選の準々決勝・成立学園戦でした。2 -0の状態からアディショナルタイムに追い付かれて延長戦で敗れました。近年のチーム状況で考えれば、勝ち切れる展開でしたが、土壇場で2点取られてしまい、何かズレている、
例年と比べて何かが足りないと感じました。足りないものが何なのかを考え続け、一度冷静にやり直さないといけないと思いながらも5月からインターハイ予選がスタートして、問題を解決できないまま大成との2回戦でPK戦の末に負けました。

 

 インターハイ出場を目指してきたのでショックでしたが、敗戦を無駄にしないようにチームの課題と向き合うことで収穫もありました。

 

 今年はプリンスリーグ関東への昇格も目標だったので、リーグ後半戦に向けて課題の改善に取り組み、選手との関わり方で少し変えた部分もあります。

 

 意識したのは、選手たちと目指すチーム作りをどれだけ明確に共有し合えるかでした。3年生たちは真面目で、自分たちで解決しようと頑張れる選手たちです。〝選手同士で共有すること〞をテーマに練習の意図やONE TAP SPORTSのデータに関するフィードバックを伝えると、スタッフ陣の意図を選手たちも汲み取ってくれて、夏以降は明らかにトレーニングの成果に手応えを感じました。

 

 それが7月後半からのリーグ戦での良い結果につながり、優勝できました。(プリンスリーグ昇格戦に進出)

 

 節目の100回大会の開幕戦で新国立競技場のピッチに立たせてもらいます。思い出を作りにいくわけではないので、勝つゲームをしたい。そして、その先に2回戦突破と過去最高のベスト16以上の成績があると思っています。

 

懸念だった筋肉系のトラブルが減少。選手の意識にも変化が生まれた

 

【関東第一高校・田畑里央 GKコーチインタビュー】

筋肉系のトラブルが減り、練習もより効率的になった

 

 

 ONE TAP SPORTSの存在を最初に知ったのは去年の選手権です。選手の体調管理は本当に大変になり、新型コロナウイルスの感染対策として全部員のデータを集め、3人のスタッフが手作業で入力していました。そんなときに選手権出場選手の体調モニタリングのために導入されたONE TAP SPORTSを使ってみました。

 

 すると選手の体温など体調の変化が一目瞭然で、アプリを通じて一括で管理もできるので、本当に今までの苦労は何だと思うぐらい効率的でした(笑)。

 

 選手権が終わってからはONE TAP SPORTSがない状況に戻りましたが、小野貴裕監督から「ONE TAP SPORTSがあると楽だよね」との話もあり、今年5月頃からチームで導入する運びになりました。

 

 体調管理ができるのはもちろん、私たちのチームでは選手の疲労感を気にしていて、可視化する方法を探していました。ONE TAP SPORTSはチームに必要な機能をオリジナルで設定でき、私たちのチームでは睡眠時間、体重管理に加えて筋肉のハリを記入させています。

 

 その結果、以前は選手とスタッフ陣の感覚を頼りにしていた部分がデータ化されました。今ではコンディションや疲労度を見ながら練習のボリュームを調整することで、チーム、選手個人に合った効果的なトレーニングができていると感じています。さらに筋肉系のトラブルが、かなり減ったのも大きな成果でした。

 

 選手にとっても自分の身体に関することを毎日入力することで、怪我や疲労度に対する意識がずい分高まってきたのは大きな変化です。今までは痛みのある選手は全体練習を休ませて様子を見るくらいしかできませんでしたが、ONE TAP SPORTS導入後は部分的に練習に参加するなど選手の状態に合わせて練習参加の可否を決められるようになりました。

 

 痛みの対処法も、単に報告だけではなくデータをもとにお互いに論理的な話し合いが出来ていると感じています。

 

 選手を長く続けるためには体調管理が重要なので、ONE TAP SPORTSはこれ以上ないツール。高校生のうちからコンディション管理の意識を持って習慣化して、卒業後も続けて欲しいです。

 

自分のベストコンディションを知るきっかけに

 

【関東第一高校・池田健人 選手インタビュー】

体重管理がパフォーマンスのカギに

 

 

 慣れるまでは毎日の入力を継続するのが難しい選手もいましたが、今は副キャプテンの下田が全員にリマインドしてくれ、しっかり活用できています。ONE TAPSPORTSを使うことで、体重の増減とコンディションの関係性が見えて、食事量を気に掛けるなど自己管理の意識がかなり変わりました。日々の積み重ねが結果にも現われ、選手権出場を決められました。新国立の開幕戦に向けて、良い準備をして勝ち上がりたいです。

 

取材協力●関東第一高等学校、株式会社ユーフォリア
文●松尾祐希

 

ー◆ー◆ー◆ー

 

 いよいよ開幕まであと1週間。感染対策は重要だが、トーナメント戦ではいかに試合に向けてコンディションを上げていけるかがカギになる。選手、スタッフともに見えない恐怖に不安を感じる日々となるが、厳しい予選を勝ち抜いた晴れ舞台で信じて磨き上げてきた自分たちのサッカーを見せてほしいと切に願う。

 

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