「先輩たちが築き上げてくれた伝統、積み重ねがあってこそ」と藤島監督
来季のJリーグ加入が内定した昌平高の(左から)井野文太、平原隆暉、八木大翔。写真:河野正
来季のJリーグ加入が内定している埼玉・昌平高校サッカー部の3選手が22日、同校で会見した。
平原隆暉と井野文太の両MFがJ2ギラヴァンツ北九州へ、DF八木大翔がJ3福島ユナイテッドFCへ進むことになった。昌平高からのJリーグ入りは6年連続12人目で、大学経由の選手を含めるとこれで計13人を輩出したことになる。
藤島崇之監督は「先輩たちが築き上げてくれた伝統、積み重ねがあってこそ(の6年連続)だと思う。コロナ禍で活動が制限される中、個々の頑張りがプロ入りにつながった」と喜んだ。
北九州には16年のインターハイで4強入りした当時の司令塔、MF針谷岳晃が、ジュビロ磐田から期限付き移籍で在籍中。福島には日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)の弟、MF大夢が昨年加入しレギュラーとして活躍している。今季はMF柴圭汰も福島に加わり、開幕戦に先発してプロデビューを飾った。
自らの特長について3人は、こうアピールした。
平原が「技術力が自分の特長なので、ここで人との違いを見せたい」と言えば、井野は「キープ力とそれを生かしたドリブルが武器」と訴え、八木は「スピードを生かした対人の強さを見せたい」と主張した。
北九州の印象について平原は、「前からポゼッションサッカーが印象的で、今年7月に練習参加した時もパスサッカーが昌平と似ていると思いました」と話し、井野も「しっかりボールをつなぎながらゴールに向かうスタイルは、これまでやってきたサッカーと同じでそこに惹かれました」と説明する。福島について八木は「自分は好機に攻撃参加するのが好きなので、全員攻撃・全員守備の戦い方に魅力を感じた」と述べた。
昨年6月半ばからレギュラーになった平原は、昨年度の全国高校選手権埼玉大会には、初戦の3回戦から決勝までの4試合にすべて先発。主に右サイドの2列目でプレーし、決勝での2得点を含め3ゴールを挙げて2連覇に貢献した。2年連続でベスト8入りした全国高校選手権でも全4試合にトップ下で先発し、京都橘との2回戦で1得点。今季はボランチとして中列後方からドリブルで攻撃をリードしたほか、高いボール奪取能力を発揮してショートカウンターの起点にもなった。
昨年から2列目やボランチで途中出場していた井野は、全国高校選手権での出番こそなかったが、新チームでは不動のボランチに成長し、平原とともに中盤の要人らしい活躍をした。特にピンチを読み取る力に優れ、1対1の強さも特長だ。
八木は178センチとセンターバックとしては大柄ではないが、空中戦に強いばかりか50メートル5秒9の俊足を生かした応対で堅陣を支えた。対人プレーとカバーリングが非凡なほか、守備ラインからの軽快な持ち上がりもお手のものだ。
3人とも中学年代のクラブチームFC LAVIDAの5期生
プロとしての心得を聞かれると、平原は「チームの勝利に貢献することがファンの信頼につながると思うので、そこを意識してやっていきたい。あの選手いいな、と思ってもらえるプレーもしたい」と答え、井野は「高校2年までは自分のことしか考えなかったが、3年生になってチームのためにやろうと思って成長できた。今度はお客さんにまた見に来てもらえるプレーをしたい」と話した。八木は「応援席からの“頑張れよ”という声がすごく力になったので、(プロになっても)サポーターの声援がいいプレーにつながると思うので頑張りたい」とプロデビューを待ちわびていた。
3人とも12年に創設された中学生年代のクラブチーム、FC LAVIDA(ラヴィーダ)の5期生。7人の指導陣は全員が昌平のコーチで、昌平の人工芝グラウンドで週に3度練習している。創設9年目の昨季は関東ユース(U-15)リーグ1部で、浦和レッズや鹿島アントラーズといったJリーグのアカデミーチームを抑えて昇格1年目にして初優勝。今季も首位を堅持し、残り3試合で1勝すれば連覇達成という全国区の強豪に短期間で成長した。
昌平は今年の第100回全国高校選手権埼玉大会で、70~72回大会の武南以来となる3連覇が懸かっていたが、3回戦で前回大会の決勝を争った武蔵越生に0-1で敗れた。インターハイ予選も準決勝で正智深谷に0-1で屈し、参戦中のプリンスリーグ関東では7位に後退。埼玉では6年ぶりの無冠に終わった昌平だが、3名のプロ選手輩出で今年も個の能力の高さを印象づけている。
取材・文●河野正
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[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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