青森山田のMF松木、柏U-18のDF田中、興國のFW永長…来季“即戦力”候補の加入内定者5選!
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今夏にインターハイ優勝を達成

 

松木玖生(青森山田高→FC東京)。フィジカルの強さを生かしたボール奪取や推進力で勝負する。写真:松尾祐希

 

 2021シーズンが佳境を迎えつつあるなか、各クラブで来季の加入内定者が続々と決まっている。ルーキーイヤーから特大の活躍が期待されるのは誰か。無限のポテンシャルを秘めた注目必至の逸材5人を紹介する。

 

――◆――◆――

 

MF
松木玖生(青森山田高→FC東京)

 

 U-20日本代表候補に飛び級で選ばれるなど、今年の高校年代で最も注目を集めているタレントだ。4得点を挙げた1年次の高校選手権ではチームの準優勝に貢献。2年次からは10番を託され、同年の選手権では再び決勝で涙を呑んだが、攻守で存在感を発揮した。

 

 最終学年を迎えた今季は夏のインターハイでチームを16年ぶりの優勝に導き、自身としても中学校2年次以来となる日本一を達成。強気な姿勢と物怖じしないメンタリティが持ち味だが、この時ばかりは嬉しさのあまり涙を流した。

 

 海外志向が強く、2月にリヨンなどのトレーニングに参加したなかで、10月12日にFC東京入りが内定。主戦場はボランチとトップ下が予想される。「自分はカッコつけてサッカーをするタイプではないし、ゴールに貪欲に向かっていくタイプの選手」と本人が言うように、フィジカルの強さを生かしたボール奪取や推進力で勝負する。プロのプレースピードに適応できれば1年目からの活躍も夢物語ではない。

 

DF
田中隼人(柏レイソルU-18→柏レイソル)

 

 188センチで左利き。世界基準のポテンシャルを持つCBだ。最大の魅力は左足から繰り出される高精度のフィード。一発で局面を変えるロングレンジのキックは世代屈指のレベルにある。

 

 2種登録された今季はルヴァンカップでトップデビューを果たし、プロの世界でも戦えることを証明。本人も手応えを得ており、「ビルドアップや楔のパスなどは通用したと思うし、フィードに関してもトップチームでも通用すると感じた」と語る。

 

 一方で球際の強さは改善の余地を残す。「ネルシーニョ監督はゴール前の攻防や空中戦の強さを求めているので、そういうところを改善しないとトップチームで試合に出られないと感じる。足もとと球際の強さを兼ね備えたDFになっていきたい」と気合い十分。弱点の克服で、さらなるスケールアップを期す。

 

先輩・樺山からスプリントの重要性を学ぶ

 

永長鷹虎(興國高→川崎)。左足を駆使したドリブル突破が魅力。写真:松尾祐希

 

FW
永長鷹虎(興國高→川崎フロンターレ)

 

 鷹虎という名は、元ラガーマンの父により戦国大名・藤堂高虎にあやかって名付けられた。身体的な発達が遅く、身長が伸び始めたのは高校1年生の頃。技術に定評があった一方で、入学当初は160センチに満たない身長で速さも決してあるとは言えなかったが、身体が出来上がっていくと、俊敏性がアップ。昨季は1学年上の先輩・樺山諒乃介(現モンテディオ山形)からスプリントの重要性を学び、左足を駆使したドリブル突破以外でも攻守でチームに貢献できるようになった。

 

 家長昭博などタレントが揃う川崎で1年目から出場機会を得るのは簡単ではないが、熾烈な競争のなかで揉まれることで、さらに力を伸ばしそうだ。

 

DF
吉田温紀(名古屋グランパスU-18→名古屋グランパス)

 

 インテリジェンス溢れるプレーを見せる守備者だ。昨季まではボランチを務める試合が多かったが、今季はCBも兼任。U-18日本代表や飛び級で選出されたU-20日本代表でもふたつのポジションをハイレベルにこなした。

 

 181センチとCBとしては大柄ではないものの、空中戦で競り負けず、地上戦でも粘り強く対応できる。また、ビルドアップのスキルも持ち合わせており、フィードも質が高い。すでにトップチームの練習にも参加しており、7月にはタイで行なわれたACLを経験。出場機会は得られなかったが、プロの世界を一足早く味わって新たな刺激を受けた。

 

 CBとボランチに対応できる戦術理解度の高さ、ビルドアップ、守備力をアピールできれば、アカデミーの先輩・吉田麻也のようにルーキーイヤーから出番を得るかもしれない。

 

DF
山原怜音(筑波大→清水エスパルス)

 

 JFAアカデミー福島U-18から筑波大に進学すると、1年次から出場機会を確保。自慢の攻撃力でめきめきと頭角を表わし、今年3月に加入内定を勝ち取った。

 

 特別指定選手に登録されると、9月11日のJ1リーグ第28節のサガン鳥栖戦でJ1デビュー。左サイドバックでプレーし、存在感を示した。10月上旬にはU-22日本代表候補合宿に参加。横浜F・マリノスとのトレーニングマッチでは右サイドバックで起用され、強烈なシュートを放つなど高い攻撃力を見せつけた。

 

 チームでは片山瑛一らとポジションを争う。運動量、スプリント力、両サイドでプレーできる汎用性を存分に示し、レギュラー奪取を狙う。

 

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

 

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