将来有望な金の卵たちを一挙に紹介!
左から福田(神村学園高)、松木(青森山田高)、松井(法政大)、五十嵐(川崎U-18)。(C)SOCCER DIGEST/滝川敏之/安藤隆人/金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)
ユース・高校・大学、それぞれの主要大会が今夏に行なわれた。ここでは、育成年代に詳しいライターの安藤隆人氏に、クラブユース選手権、インターハイ、大臣杯の3大会で出色の活躍を見せたプレーヤー10名を厳選してもらった。パリ五輪世代の逸材やJクラブも注目する俊英など、将来有望な金の卵たちを紹介する。
――◆――◆――
No.01
松木玖生(青森山田高/3年/MF)
1年次から名門・青森山田の主軸として君臨し続ける男は、やはりインターハイでも主役となった。激しい球際、巧みなフィジカルコンタクトを駆使したボール奪取と、得意の左足から繰り出すラストパスやシュートは常に相手の脅威となり続けた。準決勝の静岡学園戦では、左足から直接FKを叩き込むなど、2度目のインターハイ優勝の立役者に。3年生になって、放つオーラと攻守における強度がさらに増し、メンタリティも高校生離れしたものを持つ。まさにこの世代を代表する存在だ。
No.02
佐野航大(米子北高/3年/MF)
春先に彼のプレーを見た時は、身体操作がうまく、ポストプレーやターンしての抜け出しなど、FWとしてバリエーション豊富な動きを見せ、フィニッシュワークも非凡なものを感じさせていた。だが、インターハイでは攻守の要となるボランチでプレー。「兄からいろいろアドバイスをもらって、自分なりに課題の守備に挑戦をした」と兄の佐野海舟(J2町田)という最高のお手本をもとに、ボール奪取力やポジショニング、奪ってからの仕掛けなどを身につけ、一気にスケールアップを遂げた。プロ注目の存在となっている。
No.03
福田師王(神村学園高/2年/FW)
ストライカーとしての凄みは明らかに増した。どこか幼さが残った昨年とは違い、鋭い眼光で常にゴールを捉えながら、独りよがりになることなく、周りを上手く生かしながらアタッキングエリアに侵入していく。彼の魅力の1つである跳躍力はさらに磨きがかかり、アーリーヒットなどで相手との駆け引きを制してから、空中で止まっているかのような対空時間の長いヘッドを繰り出す。インターハイではハットトリックを含む5ゴールをマーク。青森山田の松木とともに得点王に輝いた。
ドリブル突破に磨きをかけるU-20代表アタッカーに注目!
No.04
大迫塁(神村学園高/2年/MF)
視野が広く、正確なボールコントロールと長短のパスという武器を持っているが、彼は自身の課題に気が付き、それを克服ために努力ができる才能を併せ持っていることも大きな魅力だ。今年はトップ下から本来のポジションであるボランチに戻ったが、「もっとゴール前でフィニッシュに関われる選手にならないといけない」と志願し、ふたたびトップ下にチャレンジすることを決意した。練習後には福田とともにシュート練習に励む日々を繰り返し、インターハイでは3ゴール2アシストを記録するなど、さっそくその成果を結果で示した。
No.05
五十嵐太陽(川崎フロンターレU-18/3年/FW)
動きながら周りの状態を把握し、スペースを嗅ぎ分けてゴール前に侵入していく。運ぶドリブルと突破のドリブルを使い分けるなど、自分がいるゾーンに応じたプレーができるのが強みだ。ターンのうまさも目を引くものがあり、ボールを引き込んでからのターン、身体を一歩前に出してからのターンと、ファーストタッチのうまさを生かして一瞬で前を向いて仕掛けていくプレーは、相手にとって脅威となる。トップ昇格も決まり、これからさらに進化が期待されるアタッカーだ。
No.06
甲田英將(名古屋U-18/3年/MF)
スピードに乗ったドリブルを駆使しながら、一瞬の閃きでプレーの選択を変えられる変幻自在のアタッカー。何度もチャレンジするメンタリティも魅力で、挑戦をするごとに相手の情報をアップデートさせてドリブルの質を上げていく。フィニッシュへの意欲も十分で、ドリブル突破だけではなく、裏のスペースに抜け出すなど、バリエーションも豊富。クラブユース選手権の決勝戦ではチームを優勝に導く決勝弾をマークした。U-20日本代表でもその突破力を発揮するなど、伸びしろ十分のタレントだ。
No.07
波多野崇史(広島ユース/3年/GK)
チームはクラブユース選手権の準々決勝で名古屋U-18にPK負けを喫してしまったが、彼の安定したゴールキーピングはチームに大きな安心感をもたらしていた。キャッチングがうまく、身体操作も巧みで、シュートやハイボールの際に両手がスムーズに出る。なおかつ弾いた後のセカンドリアクションも早く、瞬時に壁を作ってシュートコースを切ることもできる。まだまだ荒削りな部分はあるが、ポテンシャルは魅力的で今後の期待値も込めて選出させてもらった。
山梨学院大の万能CBを要チェック!
No.08
松井蓮之(法政大/4年/MF)
大臣杯の大会MVPと言っていいほど、攻守において別格の存在感を見せた。ボランチとして献身的な守備と対人の強さ、セカンドボールの回収力は矢板中央高時代から武器とするところだが、大学に入ってからはさらに攻撃センスを身に付けた。機を見た攻撃参加のクオリティは段違いで、パスを出してからスピードアップをして、相手の背後に潜り込み、ふたたびボールを受けたあとはパスだけでなく、縦に鋭いドリブルという選択肢も持っているのだから相手にとっては厄介極まりない。今大会でも決勝を含め3ゴールを叩き出した。
No.09
フォファナ・マリック(山梨学院大/3年/DF)
尚志高時代から空中戦と対人が強く、カバーリングのスピードも早かったが、大学ではさらにそのスケールが増した。状況判断能力に長け、チャレンジするところと味方を動かすところの判断がよく、ラインコントロールと相手のエース封じを同時にこなす万能型CBに成長を遂げた。自らの魅力に迫力のある持ち出しも加わり、ドリブルでアタッキングエリアに侵入し、チャンスにも絡むことができる。尚志高の後輩であるチェイス・アンリ(現3年)に注目が集まるが、ぜひフォファナにも注目してほしい。
No.10
高柳郁弥(東洋大/3年/FW)
大宮ユースからやってきた切れ味鋭いドリブルを持つサイドアタッカー。切り返しのタイミングとキレが凄まじく、上半身でフェイントをかけてかわすときもあれば、逆に上半身を動かさずに、足もとのボールコントロールだけで相手の逆をとって抜き去っていく。彼がボールを持てば何かが起こるという期待感を抱かせてくれるし、ボールのないところでもゴール前のスペースをかぎ分けて侵入し、チャンスに絡んでいくプレーは一見の価値あり。大臣杯準優勝の原動力となった。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
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[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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