[8.26 総理大臣杯2回戦 大阪体育大0-0(PK5-4)東海学園大]
PK戦に突入しても、大阪体育大の選手たちに不安な表情は見られない。
「関西選手権でも彼がシュートストップしてくれたから、ここまで来られているので皆が信頼している。キッカーは自分の集中できるし、泉森がいるおかげでPK戦を前向きに戦うことができた」
そう話すのは、福島充コーチ。1点が奪えず苦しい展開となった一戦を物に出来たのは、最後尾で構えるGK泉森涼太(4年=鹿児島城西高)がいたからだ。
決定機の数では大阪体育大が上回ったが、危ない場面がなかったわけではない。「言わなくても動いてくれる」と泉森が信頼を寄せる主将のDF小川大空(4年=阪南大高)を中心とした守備陣がピンチになりそうな場面で身体を張ってブロックし続けたのが、大きかった。
ただ、泉森の貢献度も大きく、相手が狙っていたFW福田望久斗](4年=中央学院高)とMF{{榎本啓吾(4年=千葉U-18)を走らせるスペースへのボールに対し、泉森は常に先に反応。ゴール前での局面でも、タイミングよくシュートコースを消すことで失点を回避していく。
「DFラインが高い位置をとってオフサイドを獲りに行くのが多い。そこをケアするのが僕の仕事で、入学当初から意識してきた部分。大学に入ってから予測とか判断の質は上がっていると思う」
最大の見せ場が訪れたのは延長戦を経て、迎えたPK戦。7月に行われた関西選手権の準々決勝の関西大でも2本のキックをストップし、総理大臣杯行きを決めているため、チームメイトからも「泉森なら大丈夫」という安心感が漂う。
泉森自身も「PKは高校の時から練習してきたので、自信はある。今日もチームが身体を張って守ってくれたので、PKは自分が止めて勝たせないといけないと思っていた」と振り返る。「相手の軸足の向きなどを見て予測している」と話す泉森は1人目と6人目のキックを見事に的中させ、ヒーローとなったが、「120分通して全員が身体を張って守ってくれたから、PK戦で勝てた。勝てたのはチームメイトのおかげ」と謙虚にコメントした。
「練習も一番最初にグラウンドに出て、自分でウォーミングアップをやっている。普段からの集中力を含めて、彼を第1キーパーとして信頼しています」。福島コーチの言葉通り、人間性も魅力で日を増すごとに試合での存在感は高まっているが、泉森は現状に満足していない
「フィールド上の監督という感じで、フィールドの選手としっかりコミュニケーションをとってコーチングできる選手が目標。また、最終的に止める所はしっかり止めて、フィードで攻撃にも貢献したい」。
今大会の目標である無失点優勝に向け、2回戦までは順調に来ている。「大会に来られていない元太さん(松尾元太監督)に良い報告をするためにも、僕たちが頑張らなければいけない。目標は日本一。今日は苦しい試合でしたけど勝てたのは良かった。また次もしっかり良い準備をして勝ちたい」。そう意気込む守護神がいる限り、大体大はそう簡単には負けない。
(取材・文 森田将義)
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■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
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高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
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鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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