日本発、ポルトガル経由でパリ行きを目指す男がいる。山梨学院で今年1月の全国高校選手権に優勝し、ポルトガル1部のポルティモネンセとプロ契約を結んだMF広沢灯喜(とき、18)が16日、日刊スポーツのインタビューに応じた。
元日本代表MF本田圭佑との出会い、小学校時代に参加したレアル・マドリードのキャンプの経験、偉大な父智英さんの存在…。ビッグな男に成り上がり、24年パリ五輪のメンバー入りを目指す。
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2021年1月11日。運命は、埼玉の地で変わった。前半12分。山梨学院MF広沢は、ペナルティーエリア中央付近でボールを受けると、切れ味鋭いボディーフェイントで青森山田DFを揺さぶり、コースのないところから、ゴール左隅へ先制点を決めた。PK戦の末につかんだ日本一の称号。国内から称賛の声が舞い込む中、海外から届いたのは驚きの一報だった。ポルトガルのポルティモネンセからのオファー。決め手は、あの先制点だった。「俺? という感じでした。でも迷いはなかった」。
18歳の目の前は、またたく間に変化した。1カ月後には、ポルトガルで入団会見。元日本代表MF本田と同じ日だった。あいさつをすると「高校日本一かぁ。俺より上やん。18歳で海外に来るなんてすごいね」と素直に驚かれた。「将来どこのクラブに行きたいの」と聞かれ、Rマドリードと答えた。
世界を目指す原点は小学校時代。Rマドリードが日本で開催するスクールの横浜校に通った。5年時にはチャレンジキャンプに参加。全国から十数名のメンバーの1人に選ばれ、スペインに招待された。そこで一緒だったのは「ピピ君」ことMF中井卓大(現Rマドリード下部組織)。現地では試合を観戦。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現ユベントス)らの活躍を目に焼き付け、漠然と世界を意識した。
尊敬する父智英さんも、世界を意識する1つだった。超高級車ロールスロイスに乗る父は内装業、投資など、海外でも会社を展開する実業家。小田原出身の広沢だが、高校は山梨学院を選んだ。父は同校近くにセカンドハウスを購入してくれた。息子はそこに母佑希子さんと2人で住み、ストレスフリーで学校生活に打ち込めた。「若いころに、ロールスロイスに乗りたいと言っていて、大人になって本当に乗る人。本当にすごいなと思う。いつか自分も乗ってみたい」と言う。
主戦場は左サイド。一瞬のスピードで相手を置き去りにするドリブルが武器。現在はポルティモネンセのU-23に所属。先日のトップチームとの練習試合では、後半5分で途中交代。と思ったら、トップチームの監督に「あの日本人を使いたい」と呼ばれるなど、期待値は高い。
輝かしい軌跡の一方で、これまで世代別の代表経験はおろか、県選抜にも呼ばれたことがない。「小学校の時に、小田原市選抜があるくらい」と笑う男が、世界のレベルにもまれ、成長を続ける。3年後にはパリ五輪。「今まで代表とか全く縁がなかった。でも、少なからず、注目されるようになってきたとは思う。まずは10代で最年少でトップチームに選ばれたい」。21歳で迎える世界の大舞台に、ポルトガルから向かう。【栗田尚樹】
◆広沢灯喜(ひろさわ・とき)2002年(平14)10月21日、神奈川・小田原市生まれ。小学校は酒匂サッカー少年団に在籍しながらR・マドリード横浜校に通い、中学では湘南ベルマーレ小田原に所属。高校は山梨学院で、99回高校サッカー選手権優勝。好きな選手は元ブラジル代表MFロナウジーニョ。身長170センチ、体重70キロ。50メートル走は6秒6。足のサイズは26センチ。家族は両親と妹。
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■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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