来季湘南加入が内定した帝京長岡のディフェンスリーダー松村晟礼。春先の大敗、連敗も糧に…日本一への決意を語る
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 来季湘南加入が内定した帝京長岡のディフェンスリーダー松村晟礼。春先の大敗、連敗も糧に日本一への決意を明かす!

 

帝京長岡のキャプテンを務める松村。来季の湘南加入内定が発表された。写真:安藤隆人

 

 2大会連続の選手権ベスト4に輝いた帝京長岡。昨年2年生で最終ラインを統率した松村の湘南加入内定が発表された

 

 昨年、2大会連続の選手権ベスト4に輝いた帝京長岡から、新たなJリーガーが誕生した。昨年、2年生ディフェンスリーダーとして最終ラインを統率したCB松村晟礼の来季湘南ベルマーレ加入内定が発表された。

 

 彼の特徴は182cmの高さを持ちながら、足もとの技術に長け、視野の広さも備える点だ。特に左足のキックの精度は高く、常にピッチを隅々まで見渡しており、最終ラインから対角に通すパスや同サイドにつける縦パス、そしてハーフスイングからFWにダイレクトにつけるクサビのパスなど攻撃の起点となるパスを操れることが最大の魅力だ。その能力ゆえに4バックのCB、 3バックの左、ボランチと守備的なポジションならどこでも器用にこなすことができる。

 

 最高学年となった今年、キャプテンにも就任し、背番号も最終ラインとしては異例のエースナンバー14を託された。チームの顔としての活躍が期待されているが、彼にとって今年は立ち上がりから苦しいシーズンとなっている。

 

 春先のプーマカップでは尚志に1-7で大敗し、サニックス杯でも青森山田に0-7というショッキングな大敗を喫するなど、フェスティバルで勝てない日々が続いた。

 

「選手権を通じて後ろからのコーチングがすごく重要だと感じていて、もっと全体を見て声を出していこうと考えました。でも、尚志戦も青森山田戦もまだ感情的になってしまうところが多くて、自分で精一杯になって、的確なコーチングができなくて、カバーまで行けなかった。僕のダメなところが全部出た試合でした。本当に不甲斐ないですし、今は落ち込んでいますが、こういう時こそ自分が率先しないといけないし、もっと冷静にならないといけないと思っています」

 

 ディフェンスリーダーゆえに松村は大きな責任とプレッシャーを感じながらプレーをし続けた。それでも結果が出ない。もちろんこれは彼だけのせいではなく、チーム全体の問題だが、どうしても自分がチームの顔として見られることは理解しているし、責任から逃げないで前に進むことが自身の成長に必要なことだということも理解していた。

 

「全てが全て悪いわけではなかったと思います。当然うまく行かないことはあると思うし、最初にそれがきたということだと思う。局面を切り取れば、いい守備だったり、いい攻撃や組み立てもできているところがあるので、決して下を向かずに、自信をなくさないようにキャプテンとして立ち振る舞いたいと思います」

 

現在は負傷離脱で秋ごろの復帰予定

 

 フェスティバル後には選手ミーティングも行なった。どれだけ負けが込んでも、試合の合間など松村は笑顔を見せて、「いいところもたくさんあるよってところを示したい」とチームにポジティブな空気が生まれるよう振る舞っていた。

 

「日本一の選手になりたいとは常に思っているし、CBでもボランチでもどちらでもできる選手として勝負をしていきたいと思っています」

 

 現在、彼は怪我で戦列を離脱している。復帰は秋ごろの長期離脱となりそうだが、それでも彼は冷静に前を見つめているだろう。怪我の期間は全てがマイナスではなく、そこで負荷がかかり続けた身体を休ませてあげることもできるし、自分の身体と心に向き合う時間も長くなる。彼のように将来がある選手であれば、プロに入る前にその時間が出来たことはポジティブにも捉えられる。何より、昨年からずっと熱烈なラブコールを送り続け、怪我をしても迷わず獲得を決めてくれた湘南の想いや期待も彼は感じているはずだ。

 

 秋には人間的にも選手としても大きくなって帰ってくるだろう。最後の選手権で日本一になること、そして湘南で1年目から躍動をすることを誓って、彼は今を大切に過ごしている。

 

取材・文●安藤隆人

 

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