安藤氏が注目するDFチェイス・アンリ(尚志高3年)
令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)の都道府県予選が各地で熱戦展開中。ゲキサカでは「インターハイ予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣にインターハイ予選注目の11選手を紹介してもらいます。第2回は“ユース教授”ことサッカージャーナリストの安藤隆人氏による11人です。
安藤隆人氏「昨年は行われなかったインターハイ予選。今年は無事に全ての日程が行われることを願って、2年ぶりのインターハイ予選11傑をさせていただきたいと思います。今回は1チーム1人で、【3-4-2-1】のフォーメーションにハマる選手をセレクトしました。それぞれ個性的で、自分の武器をきちんと理解している選手が揃い、実際に試合を見てみたいイレブンとなりました」
以下、安藤氏が推薦する11名
GK上林真斗(昌平高2年)
186cmの高さと正確なキャッチング、冷静沈着な判断力を駆使して最終ラインに安定感をもたらす。3年生にはU-18日本代表の西村遥己がおり、チーム内の守護神争いは熾烈だが、彼も遜色ない能力を持っている。ラヴィーダ仕込みの足元の技術も魅力で、落ち着いたボール捌きで後ろからリズムを生み出す。
DFチェイス・アンリ(尚志高3年)
3バックの真ん中はこの男しかいない。高さ、強さ、スピード、技術の全てを持ち合わせた大器は今、統率力を磨き上げている。カバーリング、インターセプト、ビルドアップ、そして攻撃参加と幅広い役割を期待したい。
DF小林士恩(山梨学院高3年)
187cmの高さと足元の技術を持つCB。昨年度の選手権決勝は学校のスクリーンで見つめていたが、彼が持つ能力は非常に高い。特に視野の広さと大胆さは彼の魅力で、スペースとフリーの選手を瞬時に見つけ、そこに両足から多彩なキックで正確なパスを打ち込む。
DF松村晟怜(帝京長岡高3年)
昨年度の選手権ベスト4に貢献したCBは対角のパスと裏へ落とすパスを駆使して、最終ラインで起点となる。スペースを埋める能力も高く、ここでは彼の特性を考えると適任と言える3バックの左でプレーしてもらいたい。チェイス、小林、松村の3バックは誰がどのポジションをやっても違和感がなく、多彩なビルドアップが見られるはずだ。
MF宇野禅斗(青森山田高3年)
青森山田ではアンカーで中盤の掃除人としてプロのスカウトから高い評価を受けるが、前への推進力があり、攻撃力も充分に兼ね揃えている。その特性を考えると、ダブルボランチで起用したいと考えた。相棒は攻守ともに得意とする鈴木。この2人のチャレンジ&カバーは高校ナンバーワンと言っても過言ではないだろうか。
MF鈴木淳之介(帝京大可児高3年)
昨年の段階で湘南ベルマーレ入りを決めた逸材。足元の技術とパスセンスを持ち、手堅いプレーをする一方で「そこが見えているのか!」と感嘆するようなパスも繰り出す。帝京大可児に入って積極的にボールを受けるようになったことで、プレーの精度は格段に向上。宇野とお互いの能力を引き出し合うことで、より面白いサッカーが見られそうだ。
MF徳永涼(前橋育英高2年)
今年の前橋育英の14番を託された男は、俊敏な動きと高い空間把握能力で長短のパスを駆使してゲームをコントロールする。
MF川畑優翔(流通経済大柏高3年)
愛称はバティ。チームではエースストライカーとして最前線でポストプレーから裏抜け、そしてドリブルからのシュートと多彩なゴールアプローチを持つ万能型として君臨。スピードとカットインからのシュートも得意としていることから、左サイドハーフとしても高いパフォーマンスを見せる。ここでは左ウィングバックとして攻守において関わるプレーを期待。
MF寶船月斗(桐生一高3年)
まさに電光石火の高速ドリブルでサイドを制圧するハイクオリティーなアタッカー。とにかく速い。それでいて急停止、急加速を出来るから相手にとっては相当厄介だ。さらに注目してもらいたいのがインパクトの音が明らかに他と違う強烈な右足のシュート。トップスピードやカットインから放たれる渾身の一撃は一見の価値ありだ。
MF郡司璃来(市立船橋高1年)
篤也(市立船橋高→阪南大)、克翔(尚志高→明海大)を兄に持つ1年生アタッカーは、身体をうまく使ったポストプレーと前への推進力が魅力だ。鋭いターンと思い切りの良いシュートは相手の守備に風穴を空ける。ここではセカンドストライカーとしての能力を期待したい。
FW佐野航大(米子北高3年)
町田ゼルビアの攻守の要である佐野海舟の弟は、屈強なフィジカルとスピードを駆使してゴールを陥れるストライカーだ。ボールを収める力と、ゴール前での奇抜なアイデアが魅力で、ゴリゴリに行くかと思いきやテクニカルなパスを出したり、相手の意表を突くフェイントでフィニッシュに持ち込める。1トップとして前線からのプレスも期待したい。
【布陣】
佐野
徳永 郡司
川畑 寶船
鈴木 宇野
松村 アンリ 小林
上林
執筆者紹介:安藤隆人
日本列島、世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。育成年代を精力的に取材する“ユース教授”。主な著書は『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』『壁を越えろ 走り続ける才能たち』(いずれも実業之日本社)、『高校サッカー聖地物語』(講談社)。共同制作として、『15歳 サッカーで生きると誓った日』(梅崎司)、『そして歩き出す』(早川史哉)、『ムサシと武蔵』(鈴木武蔵)
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
[4.14 プレミアリーグWEST第2節 静岡学園高 0-3 神戸U-18 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド(人工芝)] 相手が素晴らしいチームなのはわかっている。間違いなく攻撃的に来るであろうことも、容易に想像が付く。だからこそ、自分たちも引くつもりなんて毛頭ない。アグレッシブに打ち合って、その上で勝ち切ってやる。クリムゾンレッドの若武者たちは、勇敢な決意をハッキリと携えていたのだ。 「本当にこのリーグは難しいリーグなので、正直勝ててホッとしています。それも『こういうサッカーをしようよ』ということを、自分たちがある程度しっかり出した上で結果も付いてきたので、そこが凄く喜ばしいかなと思っています」(神戸U-18・安部雄大監督)。 真っ向からぶつかって3発を叩き込み、2試合目で掴んだ初白星。14日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WEST第2...
[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
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鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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