東京の新鋭・大成に2人の注目守護神。町田内定GKと競争するGK永田陸「唯一無二に」
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 今年2月、大成高(東京)GKバーンズ・アントン(現3年=FCトリプレッタジュニアユース出身)のFC町田ゼルビア加入内定(22年から)が発表された。大成は19年インターハイに初出場し、選手権東京都予選も過去3年で2度決勝進出。継続的な強化によって近年、東京上位に食い込んできている新鋭だ。

 

 その大成は、すでにDF阿部正紀(元岐阜)やDF楠本卓海(現山口)というJリーガーを大学経由で輩出しているが、高校から直接でのプロ入りはバーンズが初めて。加えて、今年は関東の強豪大学やプロから関心を寄せられているという実力派のGK永田陸(3年=RIO FC出身)も擁している。

 

 187cmと長身でシュートストップに絶対的な自信を持つバーンズは、1年時に大成をインターハイ初出場へ導いて注目度を高めた。一方、永田は182cmとやや身長は劣るものの1対1やハイボールの対応、攻撃面に秀で、急激に成長した2年時の夏以降にポジションを勝ち取って選手権予選で好守を見せている。

 

 異なる特長を持つライバル。バーンズは「武器も全然違いますけれども、良い競争相手だなと思いますし、いてくれることでモチベーションも上がりますし、『絶対に負けねえ』と思っています。(一緒に練習することで)お互いレベルが上がってきていると感じますね」とコメントし、永田は「全国クラスなので彼は。毎日一緒にできるのは成長になります」。刺激し合うことでレベルアップを遂げてきた。

 

 互いを認め合い、ライバルの活躍を素直に喜べる間柄。永田はバーンズが先にプロ入りを決めたことについて「一緒にやっていて嬉しいですね」。そして、「まだ仮ではあるんですけれども、プロの選手じゃないですか。プロの選手と毎日できるというのはだいぶ成長できます。(自分も)夏までに自分をアピールして、なるべく上のレベル(カテゴリー)のチームの方から声が掛かればと思っています」と意気込んでいた。

 

 大成の豊島裕介監督はそれぞれの実力、成長を続けていることを高く評価。現時点で大きな差はなく、試合に出続けるためには競争でライバルに差をつけることが必要だ。いち早くプロ入りを決めたバーンズも、まずは練習、試合で永田に差をつけることに集中。「(永田もプロへ)行けるかなと思いますけれども。キックは本当に一級品だと思いますし、そこは自分も盗めればと思います。(ただし自分は)プロっていう目で見られるので、永田であったりも圧倒したいと思うし、ここで出られないくらいだったら向こう(町田)でも出られないと思うので、圧倒するようなGKになりたい。インターハイ、選手権でまず永田に勝つことを第一の目標にして、その次は対戦相手に目を向けて、自分は今年1回も負けたくないと思っているので。失点しなければ負けないので、その気持ちを持っていく」と誓う。

 

 3月末まで約1か月間町田に練習参加していたため、連係面を考慮されて関東大会予選初戦(対東海大高輪台高)は永田が先発し、「とても状態は良いです」(豊島監督)というバーンズはベンチだった。試合は1-0の後半終了間際に追いつかれ、延長戦の末に敗戦。選手権予選決勝に続き、ピッチ外で敗戦を見届けたバーンズは「もう、こういうことが無いように」と改めて絶対的な存在になることを掲げていた。

 

 一方の永田はPAから大きく前に出てポゼッションや守備範囲の広さを見せたものの、ここぞのシーンで止められなかったことを反省。「裏のカバーだったり、キックはだいぶアピールできたと思います。でも、ゴールを守るという仕事が最後の最後までできなかったので……。あそこ(後半終了間際の失点)の一個守っていればそれで終わっていた」と悔しがった。

 

 そして、バーンズに劣っている部分を認める永田は、「メンタル面やシュートストップだったりはちょっと大人びているところが彼(バーンズ)にはあるので。そういうところが自分には足りないところである。彼を追い越さないと出られないので。彼を上回るものを持っていないと」と力を込めた。

 

 バーンズを上回り、プロからの評価を勝ち取るための最大の武器は攻撃面。思い切った位置取りにチャレンジし、相手を押し込むことによって味方の守備時間を減らしている。「自分自身、公式戦でもシュートを決めたいと思っている。やっぱり、そこら辺と同じGKだとスカウトの方の目にもあまり留まらない。唯一無二になっていかないと取ってくれないかなというのがあるので」。J内定選手との競争という“恵まれた”環境を力にして、自分も突き抜けた存在になること。インターハイや選手権での勝利のため、将来のため、2人の注目GKは切磋琢磨を続ける。

 

(取材・文 吉田太郎)

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