欠場中の盟友がくれたアドバイスを胸に
圧巻の2ゴールで東福岡を勝利に導いた日高(20番)。献身的な守備でも多大な貢献を果たした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)
[高校選手権1回戦]東福岡 2-0 桐蔭学園/12月31日(木)/等々力
鮮烈の2ゴールで、一気にゲームの趨勢を定めた。
大晦日に等々力陸上競技場で行なわれた1回戦屈指の好カード、東福岡(福岡)vs桐蔭学園(神奈川)の一戦は、前者が前半の勝負所で畳みかけて2-0の快勝を収めた。その全得点を叩き出したのがレフティーFW、日高駿佑(3年)だ。
均衡を破るファインゴールが生まれたのは前半35分。桐蔭学園怒涛の攻勢をなんとか切り抜けた東福岡は、左サイドを起点に高速カウンターを繰り出す。MF青木俊輔(3年)がタイミング良く供給した低い弾道のクロスに、全力疾走で呼応したのが日高だ。左足で絶妙の位置にトラップすると、「GKが出てくるのが見えていたし、良いボールが来たので落ち着いて撃つだけでした」と冷静にゴールに流し込む。
さらに7分後の前半40+2分、技巧を披露した1点目とは打って変わり、今度はパワフルな一撃でスタンドを沸かせる。左SB本田良輔(3年)のクサビを敵エリア内でしっかり懐に収めると、鋭いターンで左へ持ち出してすぐさま左足を振り抜いた。GKの逆を衝き、見事ファーに蹴り込んだ。
抜群のゴールセンスを披露した日高を、森重潤也監督も手放しで称える。「あの場面で決め切ってくれた。大きかったですね。いつも献身的で、いかなる状況に置かれても自分のプレーをブラすことがないんです」と背番号20を評した。日高は「強いシュートが自分の持ち味。練習でも思い切り撃つことを意識しています。勝利に貢献できて良かった」と話して、少しだけ笑みを浮かべる。
東福岡の前線に君臨してきたエース格が、同じ3年生の長野星輝だ。伝統的なCFのポジションでともに切磋琢磨してきた間柄で、新人戦以降は日高もスタメンを飾るゲームがグッと増えた。そんな誰よりも身近なライバルは、県予選の準決勝で怪我を負ってしまう。今大会は30人の登録メンバーにこそ名を連ねているが、桐蔭学園戦はベンチ外。実戦復帰も見通しは不透明なままだ。
日高はそんな長野の想いも乗せて、ピッチで躍動した。「練習中から駆け引きのところとかでアドバイスをくれるんです。今日はそれを参考にしてやったら良い感じで決められました」と感謝を口にする。
「目標にしているのは(セルヒオ・)アグエロ選手です。日本一になるために東福岡に来たし、選手権の舞台はずっと夢でした。伝統を引き継げられるように頑張りたいです」
どこまでも謙虚なストライカーだが、ピッチ上では誰よりも雄弁に貪欲にゴールを追い求める。チームの躍進とともに、初めての選手権でどれだけ得点を上積みできるか。
一躍、ヒーロー候補に名乗りを上げた。
【動画】東福岡の日高が桐蔭学園戦で決めた、技ありのファインゴールはこちら!
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東福岡の先制ゴール🔥
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第99回全国高校サッカー選手権⚽️
【1回戦】第1試合#桐蔭学園 (神奈川) 0-2 #東福岡 (福岡)
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取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
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[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
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10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
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鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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