Bブロックの有力候補は6年ぶり出場の…
4人のJ内定選手を揃える昌平。守備の強度アップ次第では頂点に立つ可能性も。(C)SOCCER DIGEST
いよいよ第99回全国高校サッカー選手権が12月31日から開幕する。2020年は新型コロナウイルスの影響で、初めてインターハイが中止となり、高円宮杯などの各リーグ戦も延期や規模縮小が余儀なくされた。そんな困難を乗り越え、各地域予選を勝ち上がった48の代表校が今年もしのぎを削る。
本稿では、今大会のトーナメント表を4つに分け、各ブロックの優勝候補や注目選手、活動が制限されるなかでも準備を進めるチームの仕上がりなどを紹介。全高校プレーヤーが憧れる大舞台で、99代チャンピオンに輝くのは――。サッカーライターの森田将義氏に今大会を占ってもらった。
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第99回高校サッカー選手権組み合わせ。各ブロックの展望を占う。
【Aブロック】
本命は、J1鹿島内定のMF須藤直輝を筆頭に4人のJ内定選手を揃える昌平だ。MF小川優介(鹿島内定)、柴圭汰(福島内定)を中心としたパスワークから個の特徴を活かすチームで、今年は新潟内定のFW小見洋太やU-18日本代表候補の左SB小澤亮汰など、攻撃にアクセントを加えられる選手がいるのが強み。守備の強度アップ次第では、頂点まで駆け上がるだけの力を持つ。
ただ、このブロックには、簡単に勝たせてくれないチームが揃う。2回戦で対戦しそうな京都橘には、FW西野太陽(徳島内定)と2年生ながらプロ注目のFW木原励がいる。夏に行なった練習試合では、3-0で昌平が勝利しているが、京都橘は“今大会屈指”との呼び声が高い2トップを活用し、リベンジの準備を進めている。
ほかにも、GK熊倉匠とCB一瀬大寿を中心に堅い守りから、選手層の厚みを活かした多彩な攻撃を仕掛ける山梨学院、主将のMF林莞太を中心に徹底して闘う姿勢を見せ続ける米子北など一癖も二癖もあるチームが揃う。
【Bブロック】
6年ぶりの選手権出場を果たした履正社が有力候補だ。主将のMF赤井瞭太と平岡大陽(湘南内定)を中心に90分間通してハードワークを続けられるのが特徴。選手間競争も激しく、相手の特徴や試合展開に合わせて入れ替わる攻撃陣が活躍できるのも売りだ。
なかでも、奪ってから素早く繰り出す縦に速い攻撃は、相手の時間が増える全国大会の方が切れ味を増す。夏のフェスティバルの決勝で2度敗れた青森山田にリベンジするのが描くシナリオだが、赤井は「一番はそこを目指しているが、どの相手も力がある相手。初戦の帝京長岡を筆頭に1試合1試合、目の前の相手を倒すのが目標」と口にする。
赤井の言葉通り、このブロックも実力校が多く簡単には勝ち上がれない。今治内定のMF松井治輝を擁する神戸弘陵や、FW笠井佳祐に注目の関東一も侮れないチームだ。”堅守のイチフナ”を体現する主将のDF石田侑資が中心の市立船橋も急ピッチでコンディションを整えることができれば、上位に顔を出してくるだろう。
青森山田は12月中旬にJFLのいわきFCに勝利
攻守に戦力が充実している青森山田。主将のDF藤原は「負けられない」と意気込む。(C)SOCCER DIGEST
【Cブロック】
本命不在の混戦模様になりそうなブロックだ。富山一(2013年度)、星稜(2014年度)、東福岡(2015年度)と近年のタイトルホルダーがズラリと並ぶ。
なかでも注目を集めそうなのは、昨年度ベスト4の矢板中央だ。島﨑勝也と新倉礼偉のCBを中心に大型選手が多く、迫力十分なセットプレーは今年も武器になるだろう。怪我をしがちだったGK藤井陽登が復帰してからは、堅守に磨きがかかっているのもプラス材料。エースFW多田圭佑の爆発次第では、昨年以上の成績も不可能ではない。
このブロックは、東福岡のMF青木俊輔や神村学園のスーパールーキーMF大迫塁など個人として楽しめる選手がいるのも特徴だ。今大会でのブレイクが期待されるFW吉倉昇空(富山一)とFW垣内太陽(日本文理大附)のストライカー対決にも注目して欲しい。
【Dブロック】
各校の監督が、本命として挙げる昨年度のファイナリストである青森山田が頭一つ抜けている。浦和内定のDF藤原優大、U-18日本代表候補のMF松木玖生の二枚看板に加え、岩手内定のDFタビナス・ポール・ビスマルクや、高い位置での守備から得点が奪えるMF安斎颯馬など実力者が並び、12月中旬にはJFLのいわきFCに勝利し、その実力を見せつけた。
今大会は、全チームが”打倒・青森山田”を誓うボスキャラのような存在だが、藤原は「毎試合、モチベーションが高いチームと対戦するのは難しいけど、それを上回るモチベーションでやっている。日本一のチームの一員として戦っている自覚はあるので、負けられない」と意気込む。
そのほかの有力候補は今年初めてプリンスリーグ北信越を制した丸岡だ。大型CB飯田晃明、司令塔のMF川中浩夢ら各所に実力者が揃う。MF鈴木淳之介を中心としたパスワークと、FW大森涼の決定力を備えた帝京大可児、ストロングヘッダーのCB井上太聖を中心とした守備が光る堀越なども忘れてはいけない存在で、虎視眈々と青森山田撃破を狙っている。
取材・文●森田将義(サッカーライター)
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
[4.14 プレミアリーグWEST第2節 静岡学園高 0-3 神戸U-18 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド(人工芝)] 相手が素晴らしいチームなのはわかっている。間違いなく攻撃的に来るであろうことも、容易に想像が付く。だからこそ、自分たちも引くつもりなんて毛頭ない。アグレッシブに打ち合って、その上で勝ち切ってやる。クリムゾンレッドの若武者たちは、勇敢な決意をハッキリと携えていたのだ。 「本当にこのリーグは難しいリーグなので、正直勝ててホッとしています。それも『こういうサッカーをしようよ』ということを、自分たちがある程度しっかり出した上で結果も付いてきたので、そこが凄く喜ばしいかなと思っています」(神戸U-18・安部雄大監督)。 真っ向からぶつかって3発を叩き込み、2試合目で掴んだ初白星。14日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WEST第2...
[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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