あるか、1年生で10番大抜擢。U-16代表候補MF高橋隆大が静岡学園のAチームでも目立つ動き
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静岡学園高の注目ルーキー、MF高橋隆大は10番大抜擢も

 

 まだAチームに昇格したばかりのルーキー。だが、選手権覇者・静岡学園高のトレーニングで一際目立つ動きを見せている。紅白戦ではドリブルで仕掛けに行っても簡単には失わない。相手の守りを押し下げ、細かなコンビネーションで打開もしてのける。そして、正確なラストパスでアシスト。評価の高いゴールを奪うところまで表現していた。

 

 MF高橋隆大(1年、U-16日本代表候補)はAチームでのプレーについて、「特に緊張とかなく、普通にいつも通りやれている感じがあります。自分の良さがところどころ通用していると思うので、それが出せているのであれば良いなと思います」と頷く。

 

 登録157cm、55kgと非常に小柄。だが、実績は今年の高体連のルーキーの中でもトップクラスだ。G大阪ジュニアユースの10番を背負って全日本ユース(U-15)選手権優勝。そして、今年7月にはU-16日本代表候補に初選出されて、鋭いターンからのドリブル、グループでの崩し、強烈なシュートでアピールに成功している。

 

 名門・静岡学園には、これまでも実績のある中学生たちが門を叩いてきている。だが、Aチームに入ると、その技術レベルの高さに圧倒される選手がほとんど。それに比べると、高橋は異質なのかもしれない。Aチームで全く臆することなくプレー。テクニックのある選手たちとリズムを合わせて、むしろ自分の良さを引き出している印象だ。

 

 本人の目標もAチームで“普通に”プレーするのではなく、中心選手として活躍するところにある。本気でその目標に挑戦中。「自分はこの静学の1年から、3年の試合でトップで出て、その中でも中心核としてやっていけないとこの先はないと思っているので、トップでできるように頑張っていきたいなと思っています」と意気込んでいる。

 

 堂々のプレーを見せるルーキーに対する川口修監督の評価は高い。今年のチームには少ないタイプのドリブラーであり、その賢さ、左右両足から放つ強烈なシュートがまたその価値を高めている。指揮官は明言こそしていないが、「考えている」と高橋が1年生から10番を背負う可能性も言及。数々の名手が背負い、近年もMF大島僚太(現川崎F)やFW旗手怜央(現川崎F)、MF渡井理己(現徳島)、MF松村優太(現鹿島)らが背負っている伝統の10番を1年生が勝ち取るか。

 

 高橋のトレーニングウェアの番号は偶然にも「10」。本人は「特に番号にはこだわっていないんですけれども、1年からそういう良い番号をつけれれば、自分のモチベーションにもなるので狙って行こうかなと思っています」と意欲を示している。

 

 19日からはU-16日本代表候補合宿。「一人ひとりがみんな頑張る。意識高い子ばかり。プレス速かったり、その中でも自分の足元とかでいなせたらいいと思っている」という高橋は、21年U-17ワールドカップアジア最終予選を兼ねたAFC U-16選手権(11月開幕)メンバー入りにも挑戦中だ。学力も高く、前回の代表候補合宿では質問に対するコメント力でも報道陣、関係者を驚かせていた。

 

「喋るというのは基本得意なので。自分の表現というか、自分の思っていることを吐き出すことは得意ですし、意見もちゃんと言える人間なので、その辺はできるかなという感じです」。代表常連組に比べると経験が浅いことは確かだが、ピッチでも代表チームの中で目立つ存在となること。そしてそのスピード、強度の中で成長し、静岡学園、U-16日本代表でインパクトを残す選手になる。

 

(取材・文 吉田太郎)

 

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