「POWER WORK」「志水商店」がユニフォームスポンサーに。日体大柏高は支援してくれている人々に感謝し、結果で応える。
2015年に柏レイソルと相互支援契約を結んだ日体大柏高(千葉)は、17年、18年に関東大会千葉県予選を連覇。昨夏は市立船橋高と流通経済大柏高の“千葉2強”を連破し、33年ぶりとなるインターハイ出場を果たした。だが、躍進が期待されたインターハイは、主軸にけが人が出たことや開催地・沖縄の暑さに苦しんだこともあって初戦でPK戦敗退。同年の選手権千葉県予選も準々決勝敗退した日体大柏は今年、選手権での千葉制覇、そして全国8強入りすることを目標に準備を進めている。
日体大柏は“レイソルアカデミー”の一つとして育成・強化中。柏から派遣される形で16年に同校のコーチ、17年から指揮官を務める酒井直樹監督と昨年から派遣されている根引謙介コーチが今年も継続してチームを指導している。いずれも長くJリーグでのプレーや、柏の育成世代の指導を経験してきた2人が中心となって選手の成長を後押し。強豪・柏レイソルU-18との合同セレクションや練習試合も強化に繋がっている。Jアカデミーに近いレベルの質、量を求められる中、日体大柏は年々チームの土台が強固になっている印象だ。
これまでは全国出場を懸けたトーナメント戦で惜敗していたが、昨夏は市立船橋との1点勝負を制し、流経大柏にも大逆転劇を演じて逞しいチームになったことを印象づけた。今年はより魅せるサッカー、勝つサッカーの両方ができる集団に。酒井監督は「今年は、メンバーが落ちてクオリティが下がるということがありません。13人、14人ではなく、20人、それ以上の選手たちで本当に良い競争ができている」と評す。
柏レイソルから派遣されている酒井直樹監督(左)と根引謙介コーチ
Jクラブも関心を寄せているという長身レフティーDF吉沢友万(3年)や精神的支柱のMF近江屋晃輝主将(3年)をはじめ、怪我からの完全復活を目指すFW小林智輝(3年)、新10番のFW南雄大(3年)、両足の精度と高さを備えた2年生DF土屋巧、MF前原基(3年)、MF池上裕隆(3年)、DF斎藤拓(3年)、篠宮潤哉(3年)ら誰がピッチに立っても遜色なく、多彩なサッカーができるという。
元日本代表FW北嶋秀朗(現大宮コーチ)を父に持つFW北嶋大地(2年)の怪我による離脱は残念だが、他にも指揮官の息子でSBの酒井愛輝(2年)ら日常からの競争は熾烈。中でも強烈なリーダーシップを持つ近江屋が、そのチームにプラスアルファをもたらしている。
近江屋は、酒井監督が「サッカーに全てを懸けているくらい毎回同じテンション。チームに余裕を与えません」と絶対の信頼を置くリーダーだ。昨年の県1部リーグでは、試合中に前歯を折りながらもチームのために試合終了まで戦い続けたという献身性と魂の持ち主。日常からチームメートに厳しく接することのできる近江屋が、日体大柏の意識を高め、緩むことなく目標へ向かわせている。
その近江屋は「運動量は自分の強みだと思っていますし、献身性は誰にも負けていないと思っています。プレーと言うよりは自分の背中を見て欲しいというところがあります」と語る。厳しさを求めるだけではない。酒井監督の勧めで柏のリーダー・MF大谷秀和の記事を読み、「大谷選手を見本にしてやっているところがあります。チームが悪い時に冷静に見れるキャプテンに」なることを目指している。昨年、日体大柏は選手権予選で受けに回ってしまい、力を十分に発揮できないまま敗退。近江屋は自分の特長である熱さと、冷静さを持ってチームをまとめ、吉沢、南らその敗戦を知る仲間たちとともに経験を伝えながら、戦っていく考えだ。
また、今年のチームは同校のOB(当時柏U-18に所属)で、練習参加している元日本代表FW工藤壮人から得ているモノも大きいようだ。練習参加当初は、地元・柏の元エースを前に緊張してしまう選手が多かったようだが、徐々にコミュニケーションが増加。工藤はコロナ禍で大変な一年を過ごしている高校生たちに「頑張って欲しい」と自分の経験、知識を惜しみなく伝えている。FW陣はボールを受ける動きや正確なシュートを学び、DF陣はどのように守れば相手にとって嫌なのかなどを習得中。取材日も全体練習後に吉沢と1対1で、身振り手振りを交えながら質問に応えていた。
酒井監督は「壮人が良い影響を与えてくれている。(選手たちが目指す)プロとは何かを身体で示してくれている」と感謝し、柏U-15出身の近江屋は「憧れの選手。FWの選手だけなく、色々な選手に声をかけて色々なアドバイスをしてくれるので、凄くありがたいことをしてもらっていると思います。工藤さんが来てからシュート練やっている選手が増えましたね」。日々学ばせてもらっている工藤への恩返しも、選手たちのモチベーションとなっている。
連覇を狙っていたインターハイ予選は中止となったが、近江屋は「自分たちは(選手権で)千葉県を制覇して全国でベスト8を求めている。そのためにも日頃の練習をしっかりとやって市船、流経に劣らないようにやっていきたいと思っています」と力を込める。ライバルは間違いなく強力だが、主将を中心にエネルギーを持って学び、成長し続けるだけだ。そして、再び千葉の高校サッカーの歴史を変え、全国でインパクトを残す。
(取材・文 吉田太郎)
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
[4.14 プレミアリーグWEST第2節 静岡学園高 0-3 神戸U-18 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド(人工芝)] 相手が素晴らしいチームなのはわかっている。間違いなく攻撃的に来るであろうことも、容易に想像が付く。だからこそ、自分たちも引くつもりなんて毛頭ない。アグレッシブに打ち合って、その上で勝ち切ってやる。クリムゾンレッドの若武者たちは、勇敢な決意をハッキリと携えていたのだ。 「本当にこのリーグは難しいリーグなので、正直勝ててホッとしています。それも『こういうサッカーをしようよ』ということを、自分たちがある程度しっかり出した上で結果も付いてきたので、そこが凄く喜ばしいかなと思っています」(神戸U-18・安部雄大監督)。 真っ向からぶつかって3発を叩き込み、2試合目で掴んだ初白星。14日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WEST第2...
[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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