森田氏が注目する左SB小倉慶士(神戸弘陵高)。(写真協力=高校サッカー年鑑)
新型コロナウィルス感染症の影響によって、インターハイ(令和2年度全国高校総体)が中止に。ユース取材ライター陣の協力による「インハイ予選で是非見たかった11傑」第2回は、関西を中心にジュニアから大学生、Jリーグまで精力的に取材する森田将義氏による11名です。
森田氏「『高校3年生になると、一気に伸びた』という言葉は、高校サッカーを取材していると監督、選手からよく聞かれます。今まで以上に全力を出せるようになったから、精神的に大人になったからなど、伸びた要因は人それぞれですが、共通して言えるのは卒業までのカウントダウンが始まり、後悔を残したくないという気持ちではないでしょうか。今年の3年生も例外ではなく、昨年より逞しくなった選手、これからグンと伸びそうな予感が漂う選手がたくさんいます。そうした選手の中でも、特に今後に注目したい選手をピックアップしました。インターハイの分まで、リーグ戦や選手権予選で暴れてくれるであろう選手ばかりです」
以下、森田氏が推薦する11名
GK梶原駿哉(長崎総合科学大附高3年)
187cmの身長を活かしたハイボールの強さが魅力で、昨年はポテンシャルの高さを買われて控え選手ながらU-16日本代表候補に選出。当時は気持ちの甘さが感じられたが、選手権を経験してからは主力としての自覚が高まり、今年はビッグセーブが増加。貫禄ある姿でゴールマウスに鍵をかける。
DF勝又大翔(富士市立高3年)
対人とヘディングの強さが目を惹くCBだが、高校入学後は足元の技術も高まっており、昨年の国体選抜では右SBとしてプレー。タイミング良くサイドを駆け上がり、クロスを上げるなど攻撃力の高さを見せつけ、日本一に貢献した。中でも外でもこなせる器用さも含め、今後が楽しみな選手だ。
DF高木翔理(聖和学園高3年)
テクニカルなサッカーが魅力のチームだが、今年は守備陣の充実ぶりも見逃せない。軸となる高木はカバーリングが目を惹くCBだが、最大の持ち味は攻撃力で「相手を翻弄するくらい仕掛けていきたい」と話す。積極的に最終ラインからドリブルを仕掛け、攻撃の起点として機能する。
DF川前陽斗(飯塚高3年)
スピードを備えた大型DFとして、注目されているプレーヤー。足元の技術も一定以上で、飯塚が繰り出す徹底したポゼッションスタイルを最終ラインから支える。現在はチーム事情により、CBを務めるが、左足も器用に扱えるため、左SBとして複数のJクラブが注目している。
DF小倉慶士(神戸弘陵高3年)
中盤出身とあり、攻撃性能が高くビルドアップに関与しながら、前方に顔を出せる攻撃的な左SB。179cmの高身長も魅力で、将来性の高さも含めて西日本屈指と言っても過言ではない。谷純一監督も「今年グッと伸びる可能性が高い」と期待を寄せる選手だ。
MF山田和樹(立正大淞南高3年)
兄の祐樹(現・びわこ成蹊スポーツ大)も一昨年まで淞南のCBとして活躍。「祐樹を見て育ったので、自然と予測能力が高くなった」と話す弟は兄譲りの能力を発揮し、3列目でこぼれ球を拾い続ける。「絶対に中心選手になる!という気持ちで頑張りたい」と意気込む今年は肉体強化に励み、更なる高みを目指す。
MF森喜大(九州国際大付高3年)
今年のチームは、入学時から「弱い代」と評されてきたが、2月の九州新人大会では堂々の準優勝。立役者となったのは主将を務めるアンカーの森で、身体を張ったボールハントからの前線への関与が光る。貴重価値が高まっているロングパスの出し手としても今年は注目されそうだ。
MF飯田晃明(丸岡高3年)
競り合いに強く、CBもこなせる守備的なボランチだ。2度の全国大会を経験した昨年は、運動量がアップしたことで攻撃への関与が増加。自信を覗かせる3列目からのロングパスで攻撃の局面を変えながら、ゴール前の局面にも顔を出し、迫力十分なアタックを支える。
MF山本隼大(名古屋高3年)
ブラジル代表のネイマールに憧れるドリブラーで、サイドでボールを持った時の切れ味が売り。相手との駆け引きが上手く、一気にドリブルのギアを上げて、DFを置き去りにする仕掛けは簡単に止められない。2月の県新人戦で見せた働きぶりは、山田武久監督が絶賛するほどで活動再開後は名の知れた存在になるだろう。
FW横山歩夢(東海大高輪台高3年)
「自分の特徴はスピード。多少、(相手より)遅れても自分の速さなら追いつける」と自信を覗かせるスピードスター。50mを5秒台で走る速さを活かした飛び出しはもちろん、推進力溢れる突破で相手ゴールへと迫る積極的な仕掛けも持ち味だ。
FW西野太陽(京都橘高3年)
180cm近い上背に加え、スピードも一定以上。相手との駆け引きからタイミング良くスペースを抜け出し、ゴールネットを揺らす点取り屋だ。「(米澤一成)監督から『守備も攻撃も中心になるくらいの気持ちでやれ』と言われているので、中心選手としての自覚がついてきた」今年はプレーの力強さが増しており、ブレイクの予感が漂う。
執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。
森田記者が推薦するMF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、3年) 7月22日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集!「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。 森田記者「すでにトップチームに欠かせない戦力になりつつある広島ユースのMF中島洋太朗。6月の新潟戦でJ1デビューを果たした鹿島ユースのFW徳田誉。高3ながらもこの夏、海外に渡る熊本のFW道脇豊。今年はアカデミー出身の若い選手の飛躍が目を惹きますが、クラブユース選手権(U-18)には彼らに続く可能性を秘めた選手がまだまだ存在します。今回は夏の祭典を機にブレークを果たしてくれると期待し、見た試合でのインパクトが...
[4.14 プレミアリーグWEST第2節 静岡学園高 0-3 神戸U-18 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド(人工芝)] 相手が素晴らしいチームなのはわかっている。間違いなく攻撃的に来るであろうことも、容易に想像が付く。だからこそ、自分たちも引くつもりなんて毛頭ない。アグレッシブに打ち合って、その上で勝ち切ってやる。クリムゾンレッドの若武者たちは、勇敢な決意をハッキリと携えていたのだ。 「本当にこのリーグは難しいリーグなので、正直勝ててホッとしています。それも『こういうサッカーをしようよ』ということを、自分たちがある程度しっかり出した上で結果も付いてきたので、そこが凄く喜ばしいかなと思っています」(神戸U-18・安部雄大監督)。 真っ向からぶつかって3発を叩き込み、2試合目で掴んだ初白星。14日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WEST第2...
[10.12 国体少年男子1回戦 東京都 1-1(PK4-2)鹿児島県 OSAKO YUYA stadium] 東京都が“決勝戦”と位置づけていた一戦を突破した。対戦した鹿児島県はともにU-16日本代表のMF福島和毅(神村学園高1年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)を擁し、地元国体のために準備してきた注目チーム。この日は、800人の観衆が地元チームを後押ししていた。 だが、石川創人監督(東京農大一高)が「僕らは『ここが決勝戦だ』と言ってチームを作ってきた」という東京都が、強敵を上回る。技術力の高い選手の多い鹿児島県に対し、MF仲山獅恩(東京Vユース、1年)とMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)中心にコミュニケーションを取って準備してきた守備で対抗。相手にバックパスを選択させたり、奪い取る回数を増やしていく。 鹿児島県の巧さの前に迫力のあるショートカウンターへ持ち込む回数は少な...
※2023年10月12日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽市立船橋FW郡司璃来(→清水エスパルス) ▽桐光学園MF齋藤俊輔(→水戸ホーリーホック) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド...
10番・長のゴールを称えるチームメイトたち。昌平は尚志を相手に逆転負けを喫した。写真:河野正 村松コーチが監督代行として指揮 埼玉・昌平高校サッカー部を全国屈指の強豪へ育て上げた藤島崇之監督が10月3日付で退任し、新体制に移行して最初の公式戦、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTが7日に行なわれ、昌平は尚志(福島)に1-2で逆転負けし、3連敗を喫した。村松明人コーチが監督代行として指揮を執った。 今季プレミアリーグに昇格したチーム同士の対戦。4-2-3-1の昌平は前半6分あたりからペースを握り出し、ボランチの土谷飛雅とトップ下の長準喜(ともに3年)を経由してリズミカルな攻撃を展開。13分、MF大谷湊斗(2年)が右から鋭く切れ込んでからの最終パスが尚志DFに当たり、そのこぼれ球を長が蹴り込んで先制した。 前節まで6試合連続無失点の尚志の堅陣をこじ開けたことで、昌平...
■代表決定日一覧 ▽北海道・東北北海道予選:11月12日青森県予選:11月5日岩手県予選:11月5日宮城県予選:11月5日秋田県予選:10月21日山形県予選:10月21日福島県予選:11月5日 ▽関東茨城県予選:11月12日栃木県予選:11月11日群馬県予選:11月12日埼玉県予選:11月14日千葉県予選:11月11日東京都A予選:11月11日東京都B予選:11月11日神奈川県予選:11月12日山梨県予選:11月11日 ▽北信越・東海長野県予選:11月11日新潟県予選:11月12日富山県予選:11月11日石川県予選:11月5日福井県予選:11月5日静岡県予選:11月11日愛知県予選:11月11日岐阜県予選:11月11日三重県予選:11月11日 ▽関西滋賀県予選:11月11日京都府予選:11月12日大阪府予選:11月11日兵庫県予選:11月12日奈良県予選:11月12日和歌山県...
※2023年10月5日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽東京ヴェルディ...
高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の藤島崇之監督が退任することが分かった。習志野高(千葉)、順天堂大出身の藤島監督は、07年に昌平の監督に就任。当時無名の私立校を短期間で3度のインターハイ3位、全国高校選手権8強、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEAST昇格など、全国有数の強豪校へ成長させた。 判断力、技術力の質の高い選手たちが繰り出す攻撃的なサッカーが話題となり、また、12年に創設した育成組織、FC LAVIDAとの中高一貫6年指導によって、選手育成でも注目される高校に。現在、7年連続でJリーガーを輩出中で、U-22日本代表FW小見洋太(新潟)やU-17日本代表MF山口豪太(1年)ら多数の年代別日本代表選手も育てている。また、藤島監督は日本高校選抜やU-18日本代表のコーチも務めた。 昌平は近年、男子サッカー部の活躍に続く形で他の運動部も相次いで全国大会出場を果たしてい...
※2023年10月2日時点 【高体連】▽帝京DF梅木怜(→FC今治)MF横山夢樹(→FC今治) ▽興國MF國武勇斗(→奈良クラブ)MF宮原勇太(→グールニクザブジェ) ▽飯塚DF藤井葉大(→ファジアーノ岡山) ▽大津MF碇明日麻(→水戸ホーリーホック) ▽宮崎日大DF松下衣舞希(→横浜FC) ▽神村学園FW西丸道人(→ベガルタ仙台) ▽鹿児島城西MF芹生海翔(→藤枝MYFC) 【Jクラブユース】▽北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(→北海道コンサドーレ札幌) ▽モンテディオ山形ユースGK上林大誠(→モンテディオ山形)DF千葉虎士(→モンテディオ山形)▽浦和レッドダイヤモンズユースMF早川隼平(→浦和レッドダイヤモンズ)▽ジェフユナイテッド千葉U-18DF谷田壮志朗(→ジェフユナイテッド千葉)▽FC東京U-18MF佐藤龍之介(→FC東京)GK小林将天(→FC東京)▽湘南ベルマーレ...
鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...
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