「死ぬまでやる」元流経大柏高監督・本田裕一郎氏が語った“人生最後の挑戦”。72歳の勝負師は新天地で何を志すのか?
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インタビューに応じた元流経大柏高サッカー部監督の本田氏。72歳の今も現場での指導に意欲満々だ。写真:小須田泰二

 

「やっぱり現場が好きなんだよ。引退なんてまったく思わなかった」

 

 流経大柏の本田裕一郎監督が国士舘へ行く――。年明け早々、そんなニュースを耳にして、早速、東京・世田谷にある国士舘高校サッカー部のクラブハウスへ足を運んだ。

 

「おいおい、今日は老人を冷やかしにきたのかい?」

 

 そう言って笑顔で迎えてくれた本田氏。勝負師としての鋭い眼光と溢れ出る情熱――。その表情からは72歳という年齢をまったく感じさせない。

 

「今日もこれから練習があって現場に立つんだ」

 

 5年前の2016年には重度のガンを患った。しかし、そんな大病も乗り越えてきた。「ずっと上ばかりを目指してきた。ガンになったことはすでに終わったこと。“前進意欲”が、自分の信条だからね」と笑い飛ばす。

 

 サッカーどころ・静岡で生まれ育った本田氏は、“静岡に追いつけ追い越せ”をモットーに、これまで市原緑、習志野、そして流通経大柏と、千葉県内の3つの高校を指導し、全国屈指の強豪へと育て上げた。習志野・流経大柏で6つのタイトルを手にした。名実ともに高校サッカー界を代表する名将へと上り詰めた。

 

「あそこ(流経大柏)での19年間を振り返れば、非常に良かったと思っている。選手と一緒に寮に住んで、まさに“24時間体制”でサッカー漬けの生活を送ってね。タイトルもたくさん取らせてもらった。世界のサッカーは日夜変化している。高校サッカーもその変化に対応しなければ生き残れない。そのなかで自分を上げていけない人間は消えていく。絶対に諦めないで、後ろを振り返らず、ずっと前ばかりを見てやってきたつもりだよ」

 

 昨年3月の時点で、本田氏は流経大柏を去ることを決めていた。しかし、これまで一度も“引退”を考えたことはなかったという。

 

「個人的なことを言えば、長すぎたかなとも思っている。そろそろこの機会に少し刺激を受けたくてね。次のステップへと向かおうと決めたんだけど、頭の中に『引退』の言葉は浮かばなかった。次なにをしようか。そればかりずっと考えていた」

 

 次のステップを考えたとき、いろんな思考を巡らせ、そして自問自答した。高校サッカーの現場一筋で戦ってきた男が辿り着いた答えは、やはり「高校サッカーの現場」だった。人生のすべてをぶつけてきた“現場”で死ぬまで立とう、と改めて心に決めたという。

 

「自分でクラブを作ろうかな? とか、サッカーグラウンドを作ろうかな? とか、いろんなことを考えていたけれど、やっぱり現場が好きなんだよね。餅は餅屋じゃないけれど、自分の得意な分野と言ったら、これしかないんだよ。もう身体に染み付いているしね。引退なんてまったく思わなかったよ。気持ちはなにも変わらない。ただ変わったというのは、もっと上を目指したいという意欲だね」

 

「日本一を目指すのかって? もちろんだよ。だってサッカーの本質って、勝ち負けですよ」

 

「死ぬまでやる」と決めたこの情熱をぶつける場所をどこにするか――。そんな本田氏に声を掛けたのは、大澤英雄氏だった。国士舘大サッカー部の創設者であり、現在は同大学の理事長を務める人物である。

 

「大澤先生にはずっとお世話になっており、そういう意味での恩返しをしたいと思っていた。別の大学サッカー部の監督の話もあったけれど、やっぱり高校サッカーが自分の仕事場だから。ここの高校で選手たちを育てて大学へ送り出す。それが、大澤先生への恩返しになればいいかなと思っているよ」

 

 新天地の国士舘では「スーパーバイザー」という立場として、上野晃慈監督とともにチームの指導にあたる。72歳での新たな挑戦は、人生最後の挑戦になるという。

 

「最後の挑戦になるだろうね。ここが最後だよ……。いままでやってきたものを、できるだけ否定してやってみようと思っている。いままでやってきたことがまったくダメではなかったと思うけれど、それを見直して、新たなものに挑戦したいと思っている」

 

 スーパーバイザーという肩書きとはいうものの、本田氏はみずから現場に立つ日々を送る。まさに老体に鞭を打ち、生徒たちに直接指導にあたる。日本一のノウハウを叩き込んでいる。

 

「生徒たちといま話をしているのは、大きな目標として、『目標にたどり着くまでのノウハウをみんなで学んでいこう』と言っている。国士舘のサッカー部は170人部員がいる。プロの選手という職業に就けるという生徒は少ない。でも生きていかないといけない。だから、サッカーという領域から学んで、他の領域でも活躍できるようになるためにも、『成功体験』は大事なんだ。今日も練習するけれど、ひとつくらいは『できた!』っていう経験をして帰らせてあげたい。上野監督を中心とした若いスタッフたちにも、日々『成功体験』をしてもらいたい。その積み重ねが目標達成のベースだと思っている」

 

 国士舘を絶対に日本一にさせる――。そう言い放つと、本田氏の勝負師としての本能が騒ぎ始めたのだろうか。高校サッカー指導歴45年を誇る名伯楽は、その眼光をさらに鋭くさせながら、かつて指導した流経大柏を超えるチームを作り上げる自信を覗かせた。

 

「日本一を目指すのかって? もちろんだよ。だってサッカーの本質って、勝ち負けですよ。だったら勝ちたいよね。最初から負けようと思ったらやらない。指導者って、チームを勝たせるために来るんだから。試合に勝たせられなかったら、その指導者がダメってことだから。いきなり全国優勝しろっていうのは無理があるけれど、前にやっていたチームより最低でも上に行かないことには、“前進”とは言えない。どんな年代にも、必ずトップレベルのチームがある。でも、格上のチームが必ずしも勝つとは限らないのが、サッカーの試合の醍醐味なんだよ。なんで戦う前から負けると決めつけるのか。同じ高校生なんだから、絶対勝てないということはないんだ」

 

「青森山田や静岡学園は大きな存在かもしれないけど、化け物ではない」

 

 好きな武将は「織田信長」。本田氏は戦国時代の「桶狭間の戦い」の話を例に挙げ、流経大柏時代のように、国士舘の生徒たちの闘争心を掻き立てている。

 

「あの桶狭間の戦いで、2万5000人の今川義元に対し、3000人の織田信長が勝った。青森山田や静岡学園は大きな存在かもしれないけれど、化け物ではない。強いと言われるチームに挑んでいく闘争心こそが一番必要なんだって。よくそういうことを生徒たちには言っている。そうした負けん気の強いチーム作りを、ここでやってみたい。国士舘を“戦う集団”にさせるつもりだよ。東京はいま戦国模様だけど、強力なチームがいない。かつての帝京のようなチームが出てこないとやっぱり寂しいしね。勝負事が好きかって? 本当は好きじゃないよ。一番ストレスがあるし、健康に良くない(笑)。だけど、何度も言うようだけど、サッカーの本質は勝ち負けなんだよ。だから勝つことを目指す。これからも前進、前進ですよ」

 

 かつての帝京のような絶対的な王者へ。「生涯現役」を宣言した72歳の勝負師のもと、新生・国士舘が高校サッカー界に旋風を巻き起こす。

 

取材・文●小須田泰二(フリーライター)

 

▼プロフィール

本田 裕一郎(ほんだ ゆういちろう)
1947年5月1日、静岡県生まれ。順天堂大卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に市原緑高に就任。その後86年に習志野高に転勤し、95年のインターハイで初の日本一に。2001年より流通経済大柏高に赴任し、2007年の全日本ユースを皮切りに5度の全国制覇を成し遂げた。今春より国士舘高サッカー部のスーパーバイザーに就任した。

 

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