本田圭佑ら輩出 星稜高校のサッカー部総監督がパワハラ、使途不明金疑惑で”告発”され、職務停止に
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サッカー部のカリスマ総監督として星稜高校に君臨する河崎護副校長(c)朝日新聞社

 

 野球なら松井秀喜、サッカーなら本田圭佑ら有名選手が輩出している石川県の名門私立「星稜高校」。今夏の甲子園でも奥川恭伸投手の力投で注目された。

 

 ところが、カリスマ総監督として学校に君臨する副校長が元コーチや保護者から「パワハラ」「使途不明金」で“告発”される内紛がぼっ発していることが、週刊朝日の調べでわかった。

 

 学校は10月25日に調査委を設置。総監督と副校長の職務を一時停止し、自宅待機としている。

 

“告発”されたのは、星稜高校サッカー部総監督で、副校長でもある河崎護氏だ。河崎氏は2014年度に全国高校サッカー選手権で初優勝に導いた名将。その後は副校長に就任した。

 

 野球部監督だった山下智茂氏と並んで、「カリスマ」(星稜高校関係者)と称されている。

 

 河崎氏への疑惑は大きく分けて二つある。まずは、サッカー部員への暴行、暴言などパワハラ疑惑だ。

 

 学校関係者によると、8月末から9月初めにかけて、サッカー部がグラウンドで練習していると、河崎氏がある部員に「ボケ」と言いながら、平手で頭をはたくなどの暴行を加えたという。

 

「河崎氏の暴行、暴言は珍しいことではありません。日常茶飯事ですね。毎年、全国大会予選前の8月下旬から9月になると、一日に複数の部員が殴られることもある。後輩から聞いたのですが、先日もある部員のプレーが気に入らなかったのか『お前は身体障がい者か』ととんでもない暴言をはいた。以前は、頬にビンタを食らい、口から大量に出血した部員もいた。公式戦で、部員が河崎氏の思いどおりのプレーができないと『アホ』『ボケ』など罵詈雑言を浴びせる。スポーツ界全体で、体罰をなくそうという時代。しかし、河崎氏はカリスマの威光を背景にやりたい放題。学校も黙認状態です」(星稜OB)

 

 10月14日のカターレ富山U18との試合では、「このアホ」「ボケ」などと口汚く部員を罵倒。あまりの酷さに審判が注意を与えたという。

 

 そして、もう一つの疑惑は河崎氏がサッカー部を「私物化」して自身が代表理事を務める一般社団法人「B」や、株式会社「C」にカネを「還流」させ、利益を得ているというものだ。

 

 この疑惑は今年1月、サッカー部のコーチでもあったA教諭が、星稜高校を経営する学校法人「稲置学園」に上申書を提出して“告発”。学内では大騒ぎとなったという。

 

「金銭などをめぐる疑惑が、びっしりと書かれている。カリスマに盾突く内部告発で、衝撃でした」(星稜高校サッカー部関係者)

 

 本誌はA教諭が提出した「上申書」全文を入手。数々の物証が添付されて、100ページ以上の分厚いものであった。

 

■主な内容は以下のとおり。

 

1 サッカー部の保護者会の会費、サッカー用品の購入代金などが、河崎氏や関係者の個人口座に入金。銀行通帳が開示されず適切な会計報告がなされていない疑惑。

 

2 サッカー部の保護者会の会計で「使途不明金」の存在が指摘されている疑惑。

 

3 一般社団法人Bが経営する接骨院へサッカー部の選手を「強制的」に通院させている疑惑。

 

4 学校内で河崎氏が一般社団法人Bの業務を行い「兼業」している疑惑。

 

5 出張していないにもかかわらず、虚偽の出張届を提出していた「カラ出張」の疑惑──。

 

 申立人のA教諭は本誌の取材に言葉少なにこう語った。

 

「星稜高校、サッカー部の選手、OB、保護者のことを憂いて行動したまでです。今、第三者委員会で審議を頂いているので待つのみ」

 

 一方、河崎氏に取材を申し込んだところ、星稜高校が書面でこう回答した。

 

「(河崎監督の部員へのハラスメントについては)現状において事実を把握していないが、早急に調査委員会を設置し、事実確認を行いたい」

 

 A教諭が提出した「上申書」については「事実存在を含めて、当事者及び関係者並びに通報者において、極めて機微に触れる情報であるので回答は一切を差し控えたい」とした。

 

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