小学生の時の恩師と運命的な再会…監督と主将として大学日韓戦で歴史的勝利「忘れることのできない人生の1ページに」
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[9.24 大学日韓定期戦 韓国1-2日本 安養総合運動場]

 

 これまでアウェーチームが勝利したことがなかった大学サッカー日韓定期戦でのアウェー初勝利。主将として“歴史的一勝”を成し遂げたDF山田裕翔(国士舘大4年=正智深谷高/東京V内定)は、「サッカーは勝つスポーツなので勝ち切れたことはよかった。ゲーム全体としても自分たちのやりたいサッカーを体現できたのかなと思います」と達成感に浸った。

 

 運命的な再会だった。山田が小学生の頃に通った大宮アルディージャのスクールでコーチをしていたのが、今回の全日本を率いた東海林毅監督(城西大)だった。「そのあと全然どこに行ったかも知らなかったんだけど、アミノで会った時に『こいつの顔、見たことあるな』って」。東海林監督は当時のままの“ガキ大将”の面影を感じて、すぐにピンときたという。

 

 アミノとは今年6月に行われた総理大臣杯予選のアミノバイタルカップ4回戦、王者・国士舘大と対戦していた東海林監督率いる城西大は後半38分の先制点によってリードを奪ったが、終了間際のアディショナルタイムに山田にヘディング弾を許して同点。さらに延長前半5分には、山田のアシストから決勝点を決められて、逆転負けを喫していた。

 

 再会の挨拶は試合後となったことで若干の気まずさがあったと笑うが、お互いすぐに昔の記憶が呼び起こされる感じがしたそうだ。そして続く全日本で師弟関係を結ぶと、東海林監督は山田を主将に抜擢。「繋がりがあったことで選んでもらったかは分からないですけど、正直、(キャプテンを)やりたい気持ちでいた」という山田は、意気に感じながら職務を全うした。

 

「今回の記者会見に向かう時のタクシーでもリンさんと昔の話をしました。このチームのキャプテンとして特別何かをしたわけではないけど、歴史を変えた一勝のキャプテンということはずっと刻まれること。それを昔から知っているリンさんと2人で飾れたというのは、サッカー人生でも忘れることのできない1ページになったのかなと思います」

 

 そして山田自身はこの経験を将来への糧にしたいと考えている。昨年度の全日本でもメンバー入りしていた山田だが、怪我人が出たことによる緊急招集で、合流は試合前日。ベンチ入りしたが試合に出場することは出来なかった。今年は正真正銘、大黒柱としてチームをけん引。敵地での韓国戦という難しいゲームで、見事勝利へと導いた。

 

「この経験は簡単にできることではない」と話した山田も、「全大学の主将も務めさせてもらったけど、個人としてはまだ足りないところが多くある。(東京V入りする)来年は開幕からすぐに出たいですし、パリ五輪もある。サッカー競技者である以上、目指さないといけない。しっかりとフォーカスしてやっていきたいです」と気を引き締めた。

 

(取材・文 児玉幸洋)


 

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