「絶対にここに行きたい」と進学した立正大淞南で活躍中の2年生レフティー。FW三島拓人はチームのため、日本一のために
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 中盤からFWへ定着した2年生レフティーが、結果を残している。立正大淞南高(島根)FW三島拓人(2年=玉湯SC出身)は、第70回中国高等学校サッカー選手権大会1回戦(対西京高、山口)で決勝点となる左足ミドル。続く作陽学園高(岡山)との準決勝では、2得点を叩き出すなど優勝に大きく貢献した。

 

 2年生ながら、すでに関西地区の強豪大学に練習参加している注目株だ。野尻豪監督や南健司総監督が「センスがある。走れるようになった」と認めるレフティーは、ポジションが上がったことでゴールへの意識が向上。エースFW永澤叶太(3年)とのレフティー2トップでチャンスを作り出し、得点を奪い切るようなシーンも増えているようだ。

 

 南総監督は選手権で初の4強入りを果たした10年度の2トップ、FW池田拓生とFW新里大地のようなシャドー色の濃い2人の相性の良さを説明。三島は時に中盤へ下りてチャンスメークし、ドリブルでの侵入、左足のラストパス、シュートも狙ってゴールをもたらしている。

 

 2年生FWは、チームの中心選手という自覚も向上。「出れない3年生とかいるので、絶対にやらないといけないという責任感を持ってやるのは大事だと思うし、もっと期待に応えないといけないと思います」。日本一になるために進学した立正大淞南を全国大会で勝たせる意気込みだ。

 

 三島は地元・島根県松江市の玉湯SC出身。「小学校から選手権とか見ていて、絶対にここに行きたいと思っていました。練習会に参加したりして日本一取るにはここしかないと思ったのもあるし、練習参加した時にやりがいもあった」。憧れのチームに進学してから1年強。自身の成長を実感している。

 

「サッカー以外のところだったらメンタルのところもそうだし、シンドい時にどれだけチームのために走れるかというのはここ来てちょっと変わったかなと思います」。加えて、ボールを持った時に考えすぎないことやシュートの意識、守備などボールを持っていない時にどれだけ頑張れるか、ということも学んだ。

 

 立正大淞南で元日本代表MF中田英寿氏に似ていると言われ、動画をチェック。中田氏のような選手になること、そして将来のプロ入りを目標に掲げる三島だが、自身のアピールよりもチームが勝つことに集中している。

 

 インターハイの目標について、三島は「今年、プリンス(リーグ中国)は全然勝てていないんですけれども、中国大会の優勝はたまたまじゃないと思う。チームとして一個でも勝って日本一を取ることが目標。個人としては、チームのために頑張って、周りが見て目に留まるような選手だったら注目もされる。でも、そこにこだわるのではなくて、とにかくチームのために頑張るということ。それだけですね」。動き直しの部分などまだまだ課題も多いが、期待値大きなレフティー。チームのために戦い、先輩たちとともに勝利を喜ぶ。

 

(取材・文 吉田太郎)

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