ユース取材ライター・森田将義記者が選ぶ「中国新人11傑」
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第15回中国高校サッカー新人大会(広島)は19日に決勝と3位決定戦を行い、高川学園高(山口)が19、21、22年大会に続く4大会連続4回目(20年大会は中止)の優勝を飾りました。準優勝・玉野光南高(岡山)と3位・大社高(島根)の公立勢の健闘も光った「中国新人」は、印象的な選手も多い大会に。関西を中心にジュニアから大学生、Jリーグまで精力的に取材し、今大会も全3日間取材した森田将義記者に「中国新人11傑」として、印象的なプレーを見せた11人を紹介してもらいます。


森田将義記者「高川学園の4大会連続優勝で終わった今年の中国新人は例年以上に各チームに特徴を持った選手がいました。高さのある選手がいれば、スピードのある選手、賢くプレーできる選手、上手い選手もいるなどタイプも様々で、今年の中国地方は多くの人を楽しませてくれそうな予感が漂います。今回は目を惹いた選手の中から、各ポジションで推したいと思えた選手をピックアップしました。選びきれなかった選手も多く、会場へと行けばみんなそれぞれのお気に入りが見つかるはずです」

以下、森田記者が推薦する11名

GK常藤至竜(玉野光南高2年)
細かく戦術的な指示を飛ばしながらも、味方を鼓舞する姿は「ピッチ内の監督」(乙倉健二監督)との表現がよく似合う。安定感のあるシュートセーブも魅力で、小柄ながらも空中戦でのミスもなかった。準決勝で怪我をしたが、今大会の主役の一人だったのは間違いない。

DF藤井蒼斗(高川学園高2年)
競り合いの強さと安定したビルドアップが目を惹くが、何より光るのは統率力で、簡単に選手を誉めない江本孝監督も人間力を高く評価する。中学時代からのチームメイトであるFW山本吟侍(2年)に注目が集まるが、藤井も同等以上の注目を浴びても不思議ではない。

DF内山陽太(玉野光南高2年)
本職はボランチだが、今大会はチーム事情もあり、CBとしてプレー。「身体が強い訳ではないし、速い訳でもないので、頭を使って守ろうと考えています」というクレバーな守備対応と共に光ったのは競り合いの部分。もともとヘディングは苦手だったが、大型選手とも互角に張り合った。

DF茂田颯平(広島国際学院高2年)
セルヒオ・ラモスに憧れるCBの持ち味は対人の強さ。加えて、昨年はチームが守備ラインを高く設定したことで背後のボールに対する対応も格段に成長した。相手のアタッカー陣に隙を与えない守りで、中国新人大会初出場となったチームを後方から支え続けた。

DF藤原壮志朗(米子北高2年)
CBとして上背はないが、的確な読みを活かしたボールハントは魅力十分。右利きだが、「左CBをやっているので、左足でも蹴れるようにとやってきた」と左右両足で長いボールが蹴れるのもセールスポイントだ。堅守・米子北を支える選手になれるか期待したい。

MF佐々木碧(大社高1年)
「アイツは良い」と後長直樹監督が太鼓判を押すボランチの売りは、攻撃センスの高さ。3列目からスピードに乗ったドリブルを仕掛けると、相手エリアではスルーパスやクロスで決定機を作れる。豊富な運動量を活かし、攻守に顔を出せるのも特徴で、今年は注目が高まりそうだ。

MF久島理功(立正大淞南高2年)
粗削りな部分もあるが、スピードを活かした縦突破は魅力十分。高校に入ってからは日々の練習によって運動量も増え、試合終盤まで仕掛け続けられるようにもなった。今大会は初戦敗退で終わったが、相手の守備を破壊しに行くかのようなドリブルで会場を何度も沸かせた。

MF高峻士朗(作陽高2年)
派手なプレーはないが、一つひとつのプレーが丁寧で正確。セカンドボールの回収を含めて、状況に適したプレーをこなしつつ、ボール運んでチームを前進させられる。酒井貴政監督が「ちゃんと真面目にポジションが取れて、一番安定している選手」と話すように、指揮官からの信頼も厚い。

MF佐藤大斗(高川学園高2年)
選手権出場に憧れ、アビスパ福岡U-15からやってきたアタッカーは思い切りの良い仕掛けが魅力。これまでは単独突破ばかりになっていたが、今大会は周りとの連携が向上。判断よく縦と中を使い分けるドリブルにパスが加わり、より相手にとって厄介な選手へと成長した。

FW山本吟侍(高川学園高2年)
より多くの選手を起用するため、出場時間は限定的だったが、決勝では2点を奪い、優勝に貢献。力強くゴールに向かうプレーだけでなく、周りを使う動きも効果的で、江本孝監督も「自分が、自分がという部分が今まで少しあったけど、広い心が持てるようになった」と高評価。

FW岩田凌汰(大社高2年)
技術面では伸びしろを残すが、強さとスピードを活かした推進力は魅力十分。「ザ・フォワードみたいな選手になりたい」と話すようにゴールへの積極的な姿勢も光る本格派の点取り屋だ。初戦で目を負傷し、大会2日目は欠場したが、3位決定戦は2点を奪い、インパクトを残した。

執筆者紹介:森田将義
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。

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