プロ野球とサッカーＪリーグは10日から観客を最大で5000人まで入れて試合を開催します。東京都を中心に新型コロナウイルスの感染者が再び増える中、各球団やクラブは感染対策を徹底するため、新たに設けたルールを守るよう観客に呼びかけています。
プロ野球とＪリーグは先月から無観客で試合を行ってきましたが、イベントの開催制限を段階的に緩和する政府の方針にのっとって、10日からは各会場に最大で5000人まで観客を入れて試合を開催します。
10日はプロ野球がナイトゲーム6試合、ＪリーグではＪ2のファジアーノ岡山対ギラヴァンツ北九州の1試合が予定されています。
プロ野球とＪリーグはともに観客が入場する際には検温を行い、37度5分以上の場合は入場を断るほか、会場内では必ずマスクを着用するよう求めています。
また、観客どうしの飛まつ感染や接触感染を防ぐため、応援についても制限され、ともに大声を出したり歌を歌ったりすること、ハイタッチや肩を組むこと、タオルや旗を振り回しての応援などが禁止されています。
新型コロナウイルスの感染者が東京都を中心に再び増える中、各球団やクラブは感染対策を徹底するため観客にこうした新たなルールを守るよう呼びかけています。
政府の方針に変更がなければプロ野球、Ｊリーグともに来月1日からは会場の収容人数の半分まで観客数を拡大させる方針で、10日から観客を受け入れながら、いかに感染防止に万全を期すことができるかが問われることになります。
西村経済再生相「感染防止策の徹底を」
西村経済再生担当大臣は記者団に対し「球場やスタジアムによって状況は違うが、大きな声を出すとそれなりに飛まつが飛ぶので、マスクと換気、消毒が基本だ。休憩や飲食、試合の前後に密集しないよう感染防止策の徹底をお願いしたい」と述べました。
Ｊリーグ 首都圏…神奈川 埼玉 千葉で８試合
サッカーＪリーグは、10日から12日にかけてＪ1からＪ3までの合わせて29試合で初めて観客を入れることにしています。
一日では最も多い224人の感染が確認された東京都での試合はありませんが、周辺の神奈川・埼玉・千葉では合わせて8試合が組まれています。
こうした中、Ｊリーグでは政府が9日改めてイベント開催時の人数制限の緩和について予定どおり行うという考え方に変わりないという見解を示したのを受けて、最大5000人の制限を設けて観客を入れて試合を行う方針です。
そのうえで、各クラブとはガイドラインで示した感染防止策を徹底することを再確認しました。
各クラブの担当者は「今まで積み上げてきた感染対策を徹底してきたい」、「緊急事態宣言が解除された今も何も状況は変わっていないというつもりで対策に取り組んでいる。選手たちには手洗いやうがいに消毒、間隔を開けるなど徹底させている」と気を引き締めて準備にあたっています。
プロ野球 千葉…首都圏で唯一開催
プロ野球では観客を入れて開催する10日の6試合のうちロッテ対西武が千葉市のＺＯＺＯマリンスタジアムで行われ、これが首都圏で唯一の開催となります。
ＺＯＺＯマリンスタジアムには、座席の前後左右に間隔を空けて6席に1人の割合で5000人まで観客を入れる予定で、主催するロッテによりますとチケットは9日夕方までに完売したということです。
プロ野球の感染防止のガイドラインではアルコール飲料を販売するかどうかは各球団ごとに判断することになっていますが、ロッテは10日からの3連戦では販売しないことにしています。
観客を受け入れるのを前に球場では9日、歌を歌ったり、飛び跳ねたりして応援することを禁止するなどの新しいルールを知らせるポスターを球団の職員が貼り出していました。
ロッテの球団職員で30年間、場内アナウンスを担当している谷保恵美さんは「この日が待ち遠しかったし、お客さんも楽しみにしてくれていると思う。わくわくする気持ちと緊張の両方がある。職員スタッフ一同、責任感を持っていろんな準備をして、皆さんにどう楽しんでもらうか、どうルールを守ってもらうかを考えてきた。皆さんに上手にルールを伝えたい」と話していました。
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