スタジアムに置かれたモニター(写真:ロイター/アフロ)
スポーツの審判員は、10~20年後には消える職業の一つとされている。
ご存知かもしれないが、2013年にオックスフォード大学でAI(人工知能)の研究を行う、マイケル・A・オズボーン氏が発表した論文、『雇用の未来 コンピュータ化によって仕事は失われるのか』によれば、今ある仕事の約半分は、今後10~20年で消えるリスクに直面している。
その中でも特に『スポーツの審判員』は、電話販売員やデータ入力作業員、貨物取扱人、時計修理工、裁縫師、銀行の各種担当員、機器のオペレーターなどと共に、702に分類された全職種のうち、“消える可能性が最も高い仕事”の一つに挙げられている。これらの仕事は、技能も業界もばらばらだが、作業をマニュアル化しやすい、という共通点がある。
ルール通りに正確に実践することが専門性なら、それはまさにコンピュータの得意分野だ。スポーツの審判員も、ルールに正確に従って判定を下すのが仕事であり、AIに適しているのは頷ける。実際、野球や体操など、いくつかの競技では、AI審判の試験導入、実践も始まっているようだ。それを望む声もある。
個人的には、サッカーは例外だろうという印象を持っていた。
なぜならサッカーは、人間の主観的な判定が多いから。JFA(日本サッカー協会)が定期的に行っている判定解説のブリーフィングでは、時折、海外から招かれたレフェリーやインストラクターが話をすることがある。そこで彼らの口からよく出てくるのは、「Normal Contact」「This is Football」といったフレーズ。ある接触がノーファウルであることを説明するとき、彼らは理由について多くを語らず、「This is Football」で終わらせることが度々ある。それ以上、説明のしようがないからだ。
コンピュータに表情があるなら、さぞかし渋い顔をしたことだろう。「Normal」かどうか、「This is Football」であるかどうか、AIが判断するのは極めて難しい。そもそも10人いれば、10通りの考え方がある判定を、「この人に委ねよう」として誕生したのがサッカーの審判である。スポーツの審判員が“消える仕事”とはいえ、サッカーは例外だろうと、当初は考えていた。
ところが、そうとばかりも言えない、というのが最近の所感である。なぜなら、今はサッカーのルール自体が目まぐるしく変わっているからだ。
たとえば2019-20の競技規則改正では、ハンドに関わる条文が大きく変わった。かつては「意図的にボールに手で触れたか否か」が唯一の焦点だったが、それだけではなく、新ルールには次のような内容が加わった。一部を抜粋して紹介する。
たとえ、アクシデント(意図がなかった場合)であっても、次のように手や腕でボールに触れた場合は反則となる。
・攻撃側の選手の手や腕にボールが触れて得点する、あるいは機会を作り出す
・手や腕を用いて自身の体を不自然に大きくした
・手や腕が、通常”不自然”と考えられる肩の位置以上の高さにある
次のようにボールが競技者の手や腕に触れた場合は、ハンドの反則ではない。
・選手自身の頭または体、または近くにいた別の選手の頭または体から直接触れる
・選手が倒れ、体を支えるために、手や腕が体と地面の間にある。ただし、体から横または縦方向に伸ばされていない
今年の改正では「意図的か否か」というハンドの焦点が、ケースごとに切り分けられ、基準が明確になった。主観の範囲が狭められた、とも言える。競技規則が複雑になってしまい、適用するレフェリーにとっては大変だが、0と1でデジタル判断できる場面が増えたのは確かだ。
また、人間には複雑に感じられる新ルールだが、逆にコンピュータにとっては理解が易しくなった。ケーススタディなら、AIの得意分野である。
攻撃側の手に当たって得点につながったら、無条件にハンド
→0と1で判断できる
手や腕の位置が、肩の高さ以上にあるか
→画像判定すれば、0と1で判断できる
選手自身の頭または体、または近くにいた別の選手の頭または体から直接触れる
→「近く」を数字で定義すれば、0と1で判断できる
選手が倒れたとき、手や腕が身体と地面の間にあるか
→0と1で判断できる
サッカーのルールと、機械の親和性はグッと高まった。
その一方、手や腕が肩よりも下にある場合、“不自然に大きくした体勢か否か”を判定するのはやや難しく思えるが、それでもボールが手に当たった瞬間の静止画で判定できるのは大きい。腕の角度を計算すれば、シンプルな基準で判定することも可能だろう。また、昨今のルール改正の流れを踏まえるなら、将来的にその腕の角度が数字で示される可能性もありそうだ。
サッカーは本来、機械化の難しいスポーツだったが、最近はサッカーのほうから機械に歩み寄っている。すでに一線は越えた。この流れは止まらない。
VARへの不満が、AI審判を加速させる
サッカーのビデオ判定、VARシステムは、この2~3年で急速に導入が進んだ。Jリーグでも2020年からVARを導入することが発表されている。
しかし、依然として、VARは大きな課題を二つ抱えている。それは判定遅延と、主観判定に対する不満だ。
ゴールが決まった瞬間の爆発的な喜びを遅延させてしまうのは、興ざめの一言だった。しかし、審判をAI化してしまえば、判定は一瞬で終わる。数センチのオフサイドだって、一瞬で判定できる。遅延に関するストレスはなくなる。
人間の主観的な判定に対する不満も、AI化すればなくなる。ルールに即した客観的な判断、つまり0と1でしか解釈できないのだから。
また、VARの場合は、「この場面に介入するべきか」といった点も大きな議論になっているが、AIならば関係ない。全部介入すればいいのだ。一瞬で自動判定できるのだから。
接触に関するファウル判定は、最大の難所ではあるが、「不用意に、無謀にまたは過剰な力で」という現行のルールを、接触の角度、運動スピード、接触部位などでスコア化すれば、自動判定は不可能ではない。それができるように、ルールを変えればいいだけの話。昨今のFIFAやIFABは、積極的にルールを変えていく風土になった。あり得ない話ではない。
このようにAI審判は、遅延、主観といったVARの不満を解消する。VARを導入し、その問題点に対して世間の不満が増えれば増えるほど、時代はAI審判へ近づいていく。2019-20のハンド改正は、その典型的な現象だ。
皮肉な話だが、審判の職務に関わる人々が、「公正、公平」を担保するため、努力すれば努力するほど、行き着く先はAI審判である。その結果、オズボーン氏の予測通りに、審判自身がその職を失うことになる。
そしてサッカーは二つに分かれる
とはいえ、市井のサッカーについては、高価なカメラやシステムを必要とするAI審判が、導入されることはあり得ない。それはVARも同様だ。
今、サッカーは二つに分かれようとしている。
昨今のルールは複雑化が進み、市井の審判まで理解する必要があるのかどうか、疑問に思う点も少なくない。たとえば、オフサイド。2018-19シーズンの競技規則改正では、「オフサイドポジションを判断する瞬間は、ボールをプレーしたか触れたかの最初のコンタクトポイントを用いる」と変更された。
これは何を意味するのか。つまり、パスをする選手の足から、ボールが離れて行く瞬間ではなく、最初にボールに触れた瞬間に、味方がオフサイドポジションに出ているかどうかを見極めるということ。もちろん、そんな一瞬の違いなど、人間の眼で判定できるわけがない。明らかにVAR仕様の条文であり、ほとんどの審判にとっては意味のないものだ。
今回のハンド改正についても、市井で審判をする人々が、複雑なケーススタディを行う意味があるとは思えない。彼らが必要とするのは、シンプルなルールだ。そもそも見間違いもあるのだから、「意図的に触れたか否か」だけで、主観的に判断するほうが、人間が使いやすいルールである。
昨今はトップレベルと市井のサッカーで、求めるルールが乖離し、一つのルールでサッカーを成立させることが不自然になってきた。
いずれ、サッカーは二種類のルールが生まれるだろう。
一つはAI審判化を推し進めた、トッププロだけのサッカー。ルール条文は、今の2倍。人の審判はいない。
もう一つは、人間が運営する、市井のサッカー。そこでは指導者と審判を兼ねるような人物が重宝されるかもしれない。つまり、判定しながら両チームに優れた声掛けができる人。審判はピッチサイドで怒鳴るコーチよりも、選手に近い。その価値を生かす手はある。
二つのサッカーに存在するのは、AI審判と、より人間性を高めたコーチング審判。未来のサッカーが行き着くのは、案外こんな形かもしれない。
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