コロナ禍に揺れる高校サッカー界…前例なき事態も名将・本田裕一郎氏「変わるチャンス」
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2018年1月、全国高校サッカー選手権準々決勝<流通経大柏・長崎総合科学大付>

試合終了後、長崎総合科学大付・小嶺監督(右)と健闘を称えあう流通経大柏・本田監督

 

 今年1月、国士舘高のテクニカルアドバイザーに就任した本田裕一郎氏(72)は、新たなスタートを切った矢先に水を差された。感染拡大する新型コロナウイルスの影響で各地区の総体予選が延期に。習志野、流通経大柏で6度の日本一を経験した名将にとっても、前例のない事態に見舞われているが、「今こそサッカー界が変わるチャンス」と訴えた。

 

 毎年、欧州クラブのアカデミーに出向いて練習法を学ぶ本田氏は「海外がすべてではない」と前置きした上で、「海外の選手はオンとオフの切り替えが上手。1時間半の練習を終えたらパッと帰るけど、日本人はその後に自主練習するんだよね」。100%の状態で短時間の練習をこなす外国人と、体力を温存しながら長時間練習する日本人との時間の使い方の「差」を問題視していた。

 

 流通経大柏を率いた昨夏、新たな試みに打って出たという。高校生が最も追い込みをかける夏休みに、約2週間の完全休養を与えた。期間中の自主練習は禁止。寮生は帰省させ、家族旅行などでリフレッシュを図った。「日本人は休んだらダメだと思っているが、休んでも大して変わらない。むしろ、元気になって選手が帰ってくる。(学校再開後に)全国の指導者が、“それ”に気づくチャンスじゃないか」と語った。

 

 全体練習ができない今、個人の時間の使い方で「差」は生まれる。同校も3月2日以降は全体練習を休止。本田氏は72歳ながら無料通信アプリ「LINE」を用い、10代の選手に家での時間の使い方を指導してきた。「試合のビデオをすり切るまで観てボールの軌跡を暗記したりね。普段できないことができるチャンスなんだよ」と決して悲観はしない。

 

 先行きは不透明だが、あくまでチームは「夏」を見据える。正月開催の全国選手権に比べ、インターハイは1週間の短期決戦となる。「高校生は今が1番、伸びる時期。時間をどう活用するか変われない人間はダメ。それは指導者も含めて」。高校サッカー界も変革の時期を迎えている。(清藤 駿太)

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