「ここからどう仕上げて行くか」。前・流経大柏監督の国士舘・本田裕一郎TAが新天地で初の選手権予選
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[10.11 選手権東京都Aブロック1回戦 大東文化大一高 2-3 国士舘高 国士舘楓の杜キャンパスG]

 

 73歳の名将が、新たな挑戦をスタートしている。昨年度限りで流通経済大柏高(千葉)の監督を退任した本田裕一郎氏が、国士舘高(東京)のテクニカルアドバイザー(TA)就任後初となる選手権予選を迎えた。

 

 肩書きはTAだが、流経大柏監督時代と変わらず、精力的に動き、指示する姿があった。試合前はウォーミングアップから付きっきりで選手たちを指導。自らダッシュの合図を出し、選手たちに1本1本パスを出しながら試合への準備を進めていた。そして、ベンチ前で指示を伝えると、選手の円陣にも加わって初戦をスタート。試合中はテクニカルエリアに立ち続けて選手に声がけし、後押しした。

 

 初戦は2度のリードを許したものの、CKからの3得点によって逆転勝ち。後半半ばまでリードを許していたが、“勝負師”は次々と交代カードを切って運動量を維持し、セカンドボールを拾って、連続攻撃に持ち込んだ。そして、セットプレーを獲得。188cmのDF山梨滉太(2年)と187cmDF大森彗斗(3年)の高さを活かす形で試合を引っくり返した。

 

 国士舘の上野晃慈監督は「本田先生はシミュレーションする力が凄い。様々な展開を想定して、その状況が来たらどう対応するのか準備されている。本田先生の経験から来るもの。それが当たるんです」と驚く。この日は「点獲るならCK」の言葉通りにCKから3得点を奪い返し、逆転勝ちした。

 

 相手を圧倒するというよりは、走力とパワーで押し切ったような戦いだったかもしれない。だが、本田TAは「今欲しいのは勝ちだけ。トーナメントでしょう。最初に言ったのは、『どういう勝ち方でも良いよ』と。このゲームは勝つことが大前提。質はあとで(試合についてしっかりと分析し)よく考えないといけない」。トーナメント戦では勝って次に繋げることが何よりも大事。まずは勝ち続けて、その中で成長することを目指していく。

 

 本田TAは、新設校だった市原緑高を千葉上位の強豪校、全国出場校へと引き上げ、伝統校・習志野高ではインターハイ優勝、全国高校選手権3位を記録。そして01年に就任した流経大柏では全日本ユース(U-18)選手権、全国高校選手権、インターハイ(2度)、プレミアリーグを制している名将だ。

 

 TAを務める国士舘高は国士舘大系列の私立高校。01年度から3年連続で全国高校選手権に出場し、18年度には上野監督ら指導陣の下で15年ぶりとなる全国高校選手権出場を果たしている強豪校だ。本田TAは「上野君は(200人もの)大所帯をよくまとめている」。だが、國學院久我山高や帝京高、関東一高、駒澤大高をはじめとした強豪私学勢や東久留米総合高など都立勢も健闘する東京都の中ではまだまだ最上位のチームではない。

 

 今季は東京都2部リーグに所属し、開幕5試合は1勝1分3敗と苦戦。本田TAは流経大柏時代同様にいかないことに苦笑いしていたが、再びチームを作り上げていく感覚について「懐かしいね。ここからどう仕上げていくか」と前向きだ。1年生の強化も担当し、中学生のスカウティングには「例年になく回ったよ」と言うように、情熱と勝利を求める姿勢は新天地でも全く変わらない。

 

 チーム、学校の方針で練習は基本的に1時間半ほど。流経大柏時代に比べるとかなり短い。その中でアイディアと工夫を持ってテンポ速くトレーニングメニューを進め、徹底的に基本を反復、そして全体練習後にポジション練習も。ゲーム主将のMF 竹内謙太(3年)は本田TAの指導によって、選手間競争が激しくなったことを説明する。「試合前日でも誰が出るか分からない。練習の意識も凄く高まりました」。それまでのレギュラーも白紙に。本田TAも「(一度)ぐしゃぐしゃにして。上げたり下げたりしょっちゅう繰り返していました」と振り返る。

 

 これまでよりもトレーニングで求める質が高まり、対戦相手にはもちろん、チーム内でも勝ちを求める姿勢へ変わった。山梨は本田TAの勝利への意欲について「ハンパないです」という感想。そして、「練習でも絶対に勝たないといけない。目の前の相手には絶対に負けるな、と。あと、味方同士でも戦って、絶対に先発を取れみたいに言われています」と説明する。

 

 選手、コーチングスタッフからの信頼は厚い。大森は「(本田TAは)シンプルに実績があるじゃないですか。自分たちの技術が足りないのでできていないんですけれども、言っていることをしっかりとやっていけば上には行けると思う」と力を込める。

 

 また、上野監督は「僕らが成長しなければいけません。流経のコーチと同じレベルで僕らもできるようにならないと、常勝軍団にはなれない」とコーチングスタッフも貪欲に学び、成長を求めていく決意を口にしていた。

 

 本田監督は「あと2年かかるかな」と笑うが、今年から本気で東京制覇に挑むのは間違いない。選手たちの意識が変わり、期待の1年生、FW木原涼太(1年)とMF川野漣斗(1年)も奮闘。国士舘大のサポートも受けながら、選手、コーチングスタッフとともに東京で「常勝軍団」構築を目指す。

 

(取材・文 吉田太郎)

 

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