[J内定者の声]高校、大学と他県で過ごし“超地元”に帰還…2年後の湘南内定、鹿屋体育大FW根本凌「ずっと湘南に行きたかった」
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2年後の湘南入団内定を決めているFW根本凌

 

 実家は平塚駅から2駅の辻堂駅が最寄り。BMWスタジアムや練習場のある馬入ふれあい公園へのアクセスは車で30分もかからない。中学校まで湘南ベルマーレのホームタウンである茅ヶ崎市で育った。

 

「高校から離れたけど、自分の頭の中には湘南があった。最初にJリーグの試合を観に行った試合が湘南ということもあったけど、ずっと湘南に行きたかった」

 

 高校、大学を他県で過ごして逞しくなったFW根本凌は、2年後の2022年より満を持して地元に帰還する。

 

 子供のころは特別に上手い選手ではなかった。ベルマーレサッカースクール茅ヶ崎校のスーパークラスには通っていたが、ジュニアユースのセレクションに受かることはなかった。小学生の時は小和田FC、中学は元日本代表の鈴木正治さんが監督を務めたシュートFCに在籍したが、途中出場の多い控え選手だったという。

 

「サッカーを始めたときはボランチでした。でも小学校の時は一人すごく上手い子がいて、その子は高校で辞めてしまったんですけど、絶対に敵いませんでした。中学に上がってから前目のポジションをやり始めました。最初は左SH、そこからFW。その時に点を取る喜びを味わいました」

 

 高校進学時にスカウトされることはなかったが、鈴木正治さんと上田西高の渡邉善和総監督が知り合いだったことで練習に参加する機会を得た。またその冬に行われた高校選手権の長野県決勝を生観戦したことで長野行きを決断することが出来たという。「負けた試合だったんですけど、ここなら全国を狙えるなと思いました」。

 

 高校に入ると体ができ始めたこともあり、徐々に結果を残せるようになっていった。また2月3日生まれの早生まれということで、一学年下の世代と岩手県で開催された国体に長野県選抜の一員として出場することができた。そして高校3年生で出場した高校選手権では長野県勢として初のベスト4に進出。同大会を優勝した前橋育英高から同年大会の予選と本大会を通じて唯一の得点を奪うなど、全国に名を轟かす選手にまで成長した。

 

「選手権の優秀選手に選ばれたことは自分としてはすごくうれしかった。準決勝は完敗でしたが、埼スタで観客をみて、あの歓声の中で試合が出来たのは幸せだなと思ったことを覚えています。負けたくないのは大前提としてあったのですが、相手が強かったので楽しかった。初戦の時に風邪をひいてしまっていたりと大変でしたが、今でも励みになっている大会です」

 

 鹿屋体育大への進学は推薦入試で決まった。入試を受ける条件に全国大会出場歴が必要だったが、国体に出場していたことで資格を得ることができていた。関東の強豪大への進学も考えたが、天然芝のグラウンドなど、練習環境の良さが最大の決め手となり、鹿児島に渡ることになった。

 

「大学ではまず試合に出て勝利に貢献しない限りプロへの道は遠いなと思った。だからひらすら自主練をするようにしていたのですが、努力をしたくなるような環境だったことも大きかったと思います。自分は自主練が楽しいと思える性格。純粋にサッカーが好きなんだと思います」

 

 大学では大事な試合で結果を残してきた。中でも昨年の天皇杯2回戦、J1の名古屋グランパスを相手に後半22分に追加点を記録(試合は3-0で勝利)。見事なジャイアントキリングを演出し、日本中を驚かせた。「名古屋とやったときは体でのコンタクトで負けることは少なかった。自信を持って通用したと言えます。もちろん、ゴールを取れたことも自信になっています」。

 

「大学生になってからは裏への抜け出しのタイミングが良くなった。高校で体格がいい方だったので、体を当てれば負けることはなかったけど、大学では僕以上の選手もいて、真っ向勝負で戦ってもやられてしまう。高校の時に比べてボールを貰う時の駆け引きだったりは伸びたと思います。そこはスカウトの方にも言ってもらっています」

 

 湘南には昨年夏の総理大臣杯のあとに初めて練習に参加。今年の春には湘南のほか浦和レッズや松本山雅FCのキャンプに参加するなど、プロクラブの評価はうなぎのぼりとなっていた。しかし高校2年生の時に出場した国体の時から見てもらっていたという湘南からの誘い、想い続けた地元クラブからの誘いを断るわけがなく、大学3年生の春の時点で早々と進路を決断した。

 

「サッカーを始めるちょっと前に初めてJリーグを観に連れて行って貰ったのが湘南の試合だった。小2の時の七夕のたんざくにプロサッカー選手になりたいと書いたことを覚えている。親に報告した時も凄く喜んでくれた。でも厳しいことを言うわけじゃないけど、僕自身にもまだ実感があるわけではない。早く試合に出て点を取る、チームの勝利に貢献するようにならないといけないと父親にも言われています」

 

 湘南には鹿屋体育大のOBであるMF福田晃斗やMF松田天馬が在籍。高校時代の“ライバル”であるMF新井光(市立長野高出身、現鳥取)の所属元クラブでもあり、何かと縁が深い。

 

 春先までは湘南の練習に加わっていたが、今は新型コロナウイルスの影響もあり、鹿児島でトレーニングを続けている。ただ教員免許の取得も目指しており、今はまず大学生としての活動に専念するつもりだ。

 

「自分の良さをいかしながら、周りを上手くいかせる選手になりたい。最近はホーランド選手(ドルトムント)を見本にしています。湘南からは特別指定を頂いたので、早く試合に絡んで、正式に入団する際にA契約を結べるような選手になりたいと思います」。決して青田買いではないことは実力で証明する。 

 

(取材・文 児玉幸洋)

 

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